「東京に行きたい!」その一念で、偏差値48の福岡の女子校から、一人東大を目指したランちゃん。念願かなって東京暮しも5年が過ぎた今、遂に著書を刊行。デビュー作をプロデュースした石黒謙吾氏が「ランちゃん」を繙きます。

23歳の現実の私が、妄想の中を生きているイメージを、私の好きな色やモチーフをふんだんに使って表現してもらいました。写真=加藤アラタ アートディレクション・プロップ:さくらいかおり ヘアメイク:扇本尚幸 リボンアクセサリー製作:谷川夢佳 クッキー製作:KUNIKA(from蘭)


『妄想娘、東大をめざす』の第一章 試し読み漫画はこちら

 

1歳のときに絵を描きながら
「納得がいかないの」って言っていた

石黒 まずは、23歳東大大学院生として、デビュー作が出来た感想を聞かせてくれる?

大石 最近までは自分の作業が忙しくてあんまり実感が湧かなかったんですけど、こうやって出来上がってきて、今日、インタビューのために幻冬舎さんに向かう間に中学生のとき好きだったJUDY AND MARYのアルバムを聴いていて……。

石黒 それって10年弱前に好きだった曲? 今、思い出すっていうのはその頃のこと?

大石 そうですね、もやもやしていた頃の、まだ受験生にならないとき。その頃のことを思い出しました。東大受験を決めてからは目標に向かって一直線だったんです。受験生になってからは、自分自身のアイデンティティに関してはあんまりもやもやしてる感じではないんですけど、その前の段階、中学生のときは不安定でした。私ってなんなんだろう、なにを持っているんだろう、なにができるんだろうっていう漠然とした不安定さ。キラキラした世界に行けるんだろうかっていう。

石黒 東大受験を決めてからは目標ができたんだけど、それはいつ?

大石 東大に行くって決めたのは中3の夏とかなんですが、具体的に目標がはっきりしたのは高1と高2の間の休みくらいですね。

石黒 作品にも出てくるけど、その自分ってなにができるんだろうとかいう不安感はどの辺から始まってるのかな?

大石 今、自分がやっていることが未来に繋がってしまうんだという責任感みたいなもの、今の自分がそのまま未来に繋がってしまうんだという、ポジティブではなくどっちかというとネガティブな責任感みたいなものを感じ始めた中学3年生からだと思うんですけど。多分それは生まれつきで、言葉を覚えたのが1歳くらいなんですけど、そのときにどっかから聞いた言葉だと思うんですが、自分で絵を描きながら「納得がいかないの」って言ってたらしくて。聞きかじって言ったんだと思うんですけど、自分の性格のルーツですよね。納得がいかないんですよね。常に今の自分に納得がいってないみたいなのがあるのかなって。中学のときは自分に何が足りないか漠然としか分からなかったんですよね。だからすごく不安定だったなと思うんですよね。

著書にも登場する、高校生のときのデコった世界史の教科書とプリクラ帳はこれです。プリクラ帳は雑誌の切り抜きやシールやカラフルなペンでデコっていたのですが、同じ要領で教科書もデコってなんとか楽しく勉強しようとしていました。(from蘭)

 

この記事をシェア
この連載のすべての記事を見る

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

書籍はこちら(Amazon)