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2014.03.23

特集 『野武士のグルメ』を味わい尽くす

大根仁×久住昌之対談
第3回 食マンガにおける原作者と漫画家の関係

大根仁/久住昌之

大根仁×久住昌之対談<br />第3回 食マンガにおける原作者と漫画家の関係


第2回の記事はこちら

 

回を重ねるごとに増す土山節の奥深さ

大根 『野武士のグルメ』に話を戻しますけど、俺、すき焼きの話(『かっこ悪いスキヤキ』)も好きですね。普通のパターンだと、自分のペースで食べられなくて、負けた……みたいな感じで店を出てきて終わりじゃないですか。ただ、あの回はその後も話が続くんですよ。帰りの電車のなかで「何がいけなかったのか」とアタマの中でひとり反省会が始まる。あれが妙におかしくて。「そうか、あの女中にペースを乱された」なんて自分の不覚を悔いたりしてね。

久住 あれは、土山さんの気持ちが投影されているんだろうね。きっと、あんな風に後で思い返して悔やむことがあるんですよ。

大根 あの回で、姪っ子と食事するじゃないですか。その姪っ子が口元だけ描かれて、顔がわからないのもいいなと。土山さんって、比較的「圧」の強いキャラクターの描き方をする印象があって、それはそれで大好きなんだけど、野武士はちょっと引いた感じの描き方をしているところも出てくる。「ああ、こういう引き出しもお持ちなのか」という発見がありました。

 それから、石割桜の回(『釜石の石割桜』)とかも、明らかに画のタッチが違う。妙に劇画的というか。「ながやす巧か!?」と思うくらい。漫画家・土山しげるの表現力の奥深さを存分に味わいました。

久住 『釜石の石割桜』をどう描くかについて、土山さんは非常に悩まれていました。だからこそ、楽しんで描いてくれたんだと思うんです。昔のことを回想する話だったから、他の回とは違うニュアンスを盛り込みたかったんだろうなと。

大根 回を重ねるごとに、土山節がどんどん魅力的になってくるんですよね。

久住 たしかに。土山さんの世界観がどんどん盛り込まれて、漫画として面白くなっていく。一冊通して読むときは、そういう変化を感じながら読み進めるのも面白いはずです。

大根 第1話なんて、まだ遠慮している気がします。出てくる公園もまんま井の頭公園だし、まだ久住さんに気を使って、手加減しているのかなと。

久住 『孤独のグルメ』も、実は第1話ってそんなに面白くないんですよ。五郎が山谷に行く話です。やはり3話あたりからだんだん面白くなってきた。第1話のころとか、「どうして作画は和泉(晴紀)さんじゃなくて私なんだろう」「どうやって描こう」みたいな気持ちが谷口さんの中にあったようで。で、第2話も、まだそんな感覚を引きずっている印象。そして第3話で、五郎が浅草のあんみつを食べて「うまい!」という顔を描いたときに、「あ、イケる」と思ったそうなんです。焼肉の回のころはもう掴んでいました。とはいえあの火力発電所の絵描くだけで2日くらいかかったようで参ったらしいですが(笑)。

大根 なるほど、そんな経緯があったんですね。
 

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