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南極調理隊タテヤの越冬日記

2014.03.15 公開 ツイート

第2回

南極の夏は大忙し 竪谷博

12月14日。初日のお昼ご飯はこれ。料理を作っていられないほど忙しい時に、海自から配給される「缶めし」です。中には具材がぎっちり詰まっているから、見かけよりボリュームたっぷり! 味はしっかり濃いめ。なかなかおいしいですよ。

 

12月15日。朝礼。朝7時45分、ラジオ体操から始まる朝礼は、休日及び悪天候日を除いて毎日行われます。朝のきりっとした空気の中でのラジオ体操は“くせ”になりました。

 

夏作業の風景その1。「しらせ」からの物資の輸送のほか、新しい観測施設の設置や、基地のメンテナンス、ゴミや廃材の片付けなど、短い夏の間にやらなくてはいけない作業がたくさんあります。隊員たちは、力を合わせて生コンを練ったり、トラックや重機に乗ったりと、できることは何でもやる! 私もダンプを運転してましたよ~www

 

ここで、12月14日から始まった、昭和基地・夏期間中の海自流ごはんを紹介しましょう。
夏期間中の食事は、基本的に海自が担当します。調理は私ももちろん一緒にやりますが、メニューを考えるのは海自の調理員です。

12月16日の昼食
 

 

 

12月17日の朝食

 

12月18日の夕食

海自の基本は1つの皿にドンドン盛っちゃうというやり方です。食器を多く使わない→洗い物が少なくなる→節水に繋がる、というわけです。そしてカレーはやはり南極でも一番人気。

12月20日の夕食
12月21日の昼食

12月21日の夕食

昼に肉系の料理が出たら、夜は魚系の料理が出るといった具合に日々進みます。昼が魚で夜が肉と、パターンが反対になることも。 

12月24日の夕食

12月30日の夕食

 

こちらは夏期隊員宿舎の厨房の勝手口に毎朝現れ、我々調理関係者をただ眺め続けていたトウゾクカモメの「かも君」です。2m程の近距離から撮影したもの。鋭い眼光で、腹が減っているオーラをまき散らしています。カラスより一回り位デカイので、結構迫力があります。

 

「もう少し可愛い態度ってモンがあんだろう~」とこちらが顔を向けると、すぐ何も無かったかのように「しら~っ」と横を向く。この繰り返しでした。ちなみにエサは与えてませんよ~。さらにちなみに、「トウゾクカモメ」というのは、他の鳥の獲物を空中で奪う習性からつけられた学名。我々の食料を盗んだからではないことを、「かも君」の名誉のために言っておきますw

 

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南極調理隊タテヤの越冬日記

南極ではどんな暮らしをしているの? 何を食べてるの? 第55次南極観測隊・調理担当隊員タテヤが、昭和基地での日々をレポートします。

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竪谷博

1972年、東京都生まれ。日本料理店での修業を経て、居酒屋・風神亭チェーンの料理人として腕をふるう。41歳で一念発起し、第55次南極観測隊の調理担当として、2013年12月、昭和基地に赴任。ただ1人の調理担当隊員として、第55次南極観測隊越冬隊24名の活動を支え、15年3月に帰国。同年7月には東京都杉並区に居酒屋「西荻窪じんから」をオープン、居酒屋激戦区の西荻窪で多くの人に愛される人気店になる。47歳で再び一念発起し、第61次南極観測隊越冬隊の調理担当として、19年12月、昭和基地に赴任。越冬隊30名の活動を支えている。

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