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2014.02.23

第2回

100周年スペシャル企画 花組 蘭寿とむさんインタビュー

宝塚歌劇団

100周年スペシャル企画 花組 蘭寿とむさんインタビュー<br />

 「観た者は必ずハマる」という鉄板の法則がある宝塚歌劇団。芸能界はもちろん、ビューティ業界でもコアなファンが後を絶たない。そんな宝塚を支える5人のトップスターの魅力を、特別連載として5回にわたりお届けします!

魅了する男役といわれる蘭寿とむさん。今年5月に退団することを発表した。退団を決めたいきさつから、こだわりの男役像まで、今の蘭寿とむの想いに迫ってみることに!!
 

Tom Ranju
8月12日生まれ。兵庫県西宮市出身。'96年『CAN-CAN』で初舞台を踏み、花組へ配属。'01年に新人公演で主演を務める。'06年に宙組に組替えし、『逆転裁判』などが話題に。'11年4月に花組に組替えし、同時にトップ男役に就任。『ファントム』や『オーシャン11』などの話題作に出演。


Road to TOP STAR
Tom Ranjyu

1994年 宝塚音楽学校に入学。82期生。
1996年 宝塚歌劇団に首席入団。花組に配属。
2000年 6月、ベルリン公演メンバーに選抜
2001年 『ミケランジェロ』で新人公演初主演。
2002年 『月の燈影』でバウホール公演初主演(W主演)。
2005年 服部有吉『R・Hatter』に外部出演
2006年 4月、宙組へ組替え。
2007年 『バレンシアの熱い花』で相反する二役に挑む。
2010年 初コンサート『“R”ising!!』開催。
2011年 花組に異動、トップスターに就任。
2013年 10月、翌年5月での退団を発表。
 

女優の北川景子さんをはじめ、芸能界にも熱烈なファンが多い蘭寿とむさん。見ているほうが思わず頬を染めてしまうことから、ファンの間で、“赤面王子”とも呼ばれているという噂も……。
「蘭寿さんは、男役らしい男役ができるトップスター。昔の宝塚は、蘭寿さんのような“ザ・男役”という方がたくさんいたんですね。そういった意味では、“最後の昭和のスター”といったニュアンスの貴重な存在のトップさんなんですよ」と言うのは、宝塚をこよなく愛し、今回のメイクも担当してくれたヘアメイクアーティストの山本浩未さん。


ある意味、男性よりも男らしい
とことん追求する男役への想い

 「宝塚の男役にもタイプがあって、男役も女役も似合う人を“フェアリータイプ”と呼んだりします。私は、このフェアリータイプではなく、目指してきたのは“男らしい男役”。過去にも先輩方がいろんな男役の形を作ってこられていて、私自身も自分しか出せない男役の色を見つけたいと思っていました。そのなかで、目指してきたのが、ちょっと大人な男性像です。特にこだわったのは、“背中の佇まい”ですね。背中で語れる男性というか(笑)。顔で表情を見せなくても、背中でさみしさや色気を魅せたい。あとは、相手の娘役とのコンビになったときの見せ方にはこだわっています。これはどの男役も意識しているところだと思いますが、どの角度から見えるのが美しいか、視線だけでなく、手の動きや角度も考えています。さらに私はラブシーンもリアリティが大事だと思っています。観ている側が男役を超えて、そのシーンに感情移入ができるように演じようと心掛けています」

 今回の撮影中も思わず傅(かしず)きたくなってしまうような、イケズな視線に、女性陣は皆ドギマギ。究極の女性好みの男性像がすっかり板についているのだ。
しかし、蘭寿さんも最初から自分にフィットする“男らしい男役”を演じられたわけではないという。

「これは男役をやらないとわからないかもしれませんが、性別を超えて男性を演じるわけですから、最初は頑張って、作りこんで作りこんで、ということを繰り返しました。演目によって男性像も違うので、それによってどう演じようかと毎回いろいろと考えます。それは苦痛ではないのですが、大なり小なり力みが出てしまうことがあります。でも、昨年春の『オーシャンズ11』という舞台で、映画ではジョージ・クルーニーさんのダニー・オーシャン役を演じたんですが、このとき、自分でも驚くほど力みがなくて、“男役を楽しめているな”という実感があったんです。弾けるような楽しさとは違うのですが、頭で考えることなく、体全体で男役を体感できたんです。そして、この私の楽しんでいる気持ちがお客様にも自然と伝わって、あとから“こんな男役が観たかった”と多くの人から言っていただけて、私ならではの男役像がやっと完成したな、という気持ちになりました」

 男役を演じて18年。やっと自分で納得できる男役像を見つけた蘭寿さん。
 しかし、この達成感は蘭寿さんに新たな決心を芽生えさせた。それは、ファンにはつらく悲しい“退団”という決断だった……。

トップになったら終わりを考える
それがトップの宿命でもある

 自分が目指していた境地。自分自身が納得できる男役を演じ切ったとき、出した答えが、“宝塚の退団”。通常であれば、せっかく体感できた境地をもっともっと磨きたい、高めたい、と思うところなのに……。

「そうですよね。普通の世界ではあまりない感覚かもしれません。でも、宝塚の場合、トップに就任すると同時に、“終わりがあるんだな”と自覚するのだと思います。私はそうでした。それまでは、ただがむしゃらに、上を目指して走っていて。でも、トップになったと同時に、終わりを意識するようになりました。いい状態で自分はどう終わっていこう、ということもトップでいながら探していくのもひとつの任務なのかも。これは宝塚特有の美意識というか美しさなのかもしれませんね」 

学んだのは「想いは体で示さないといけない」ということ

蘭寿さんは、過去最高の48.2倍の年に宝塚音楽学校に入学し、首席を維持していたという伝説の人。

「皆さん挫折知らずだと思われるみたいなんですが、そんなことはないです。子供のころはまったく目立たない子でした。宝塚に入学してからも自分の感情を表に出すのがあまり得意ではありませんでした。入学してから将来の夢を話す機会があったのですが、そのとき“大階段でスモークの中で白い衣装でデュエットダンスが踊りたい”と発言して、先生からは“それならトップにならなきゃね”とお話いただいたのですが、それからずっとその想いは自分のなかで封印していました。
 野心は表に見せないほうが美徳と思っていたんですが、ある上級生から“なりたいのならそれを表に出すべき”とアドバイスをいただいて、想いを素直に表に出すようにしたんです。そうしたら、しだいに自分の状況が変わってくるようになった。別に口に出して言ったわけではないですが、意思を持って強く自分でなりたいと思うと、不思議と周囲にもその想いが伝わっていくんです。
 しかも、想いを表に出すことで、自分自身の想いに自分で言い訳しなくなり、責任が持てるようになった気がします。
 宝塚では本当にいろいろなことを学びましたが、“想いを体現する”ということは、これからの私の人生にもきっと大きな力になるのは間違いないでしょう」

トップになったと同時に、自分にとっての“いい終わり方”も
探し始める


 

蘭寿とむさんに教わるトップスターの美学

 落ち着いた大人の魅力の蘭寿さん。インタビューには入りきらなかった蘭寿さんの魅力にさらに接近! また、私たちにも参考になる個性の見つけ方などもアドバイスしてもらうことに。意外な蘭寿さんの魅力をさらに発見できるはずです!

Q どうしたらそんなに落ち着いた振る舞いができるのでしょう?
まわりの方からは大人だとかクールだとか言っていただくのですが、私をよく知っている人は、ボーッとしているのよね、と言います(笑)。昔から下級生時代も上級生のような落ち着きがあると言われましたが、感情を表に出すのがあまり得意ではないので、そう見られるだけなのかも。怒りの沸点とかも遅くきて、みんなが怒っていても私だけ翌日になってから「あれってやっぱり変かな?」なんて言うことも。素は少しぼんやりしています(笑)。

Q 自分の個性を見つけるにはどうしたらいいと思う?
自分の個性って見つけるのはなかなか難しいですよね。私も悩んだ時期がありました。ずっと自分の強みと思っていた「熱さ(passion)」を封印したことがあったんですね。自分の個性を一度とことん否定して。もともと真面目というか殻が破れないタイプなので、一度壊さないとダメみたいで。でも、『宙 FANTASISTA!』という作品で、宇宙一チャラいホストという役をやってから、何かが吹っ切れて。男役の演じ方が変わった気がしますね。

Q 周囲からのプレッシャーをどう乗り越えている?
周囲からのプレッシャーを感じるというよりも、自分自身からのプレッシャーを感じることはありますね。実を言うと、今でも公演前に演技や歌が自分の思うレベルに達してなかったりすると、焦って、慌てて夜中に大泣きすることもあります(笑)。でも、ずっと泣いているということはないですね。泣いてる暇があるなら、少しでも多く練習したほうがいい、明日のために寝たほうがいい、と思って、意識してチャンネルを変えるようにしています。

Q 退団後、やりたいことはありますか?
宝塚音楽学校に入ってからずっと走り続けて、人生の100%が宝塚な毎日でした。宝塚のために時間が存在していたので、まずは、宝塚でない自分に戻って、そこで一度リセットしてから先のことは考えたいですね。今まで培ってきた男役の自分も一度リセットします。それでないと先は考えられないと思っています。原点に戻ったとき、自分が何を求めて、何ができるのか、考えることも大事だと思うので。「考えてない」が今の答えです。

Q 自分のチャームポイントはどこですか?
ヂカラがあると言われるので、目なのかな、と自分は思っているのですが、ファンの方からは顎がいいとか横顔がいいとか言っていただきます(笑)。横顔のラインが男っぽいみたいです。実は私、父にそっくりなんです。自分でも舞台写真をみると父親に顔がそっくりでびっくりしますね。「わ、これじゃ、お父さんじゃない!」と写真を見て叫んだこともあります(笑)。顎はあまり好きじゃなかったのでコンプレックスを感じていた部分を評価されるのはうれしいですね。

Q 激務をこなす自分のメンテナンス法は?
疲れをリセットするには、朝の入浴が欠かせません。香りのいい入浴剤やアロマオイルなどを入れて、朝入浴します。香りはイランイランなどが好きですね。朝入ると、頭も体もシャキッとして、公演や練習に向かえます。あとは、時間があると雑誌をよく読みます。雑誌を読む時間があるってことが一番のメンテナンスになるのでこれは重要です。このときは男役など忘れて自分が欲しいものやメイクの記事などを没頭して読むようにしています。

Q 美しいスタイルを保つためにしていることは?
舞台で袖にいるときにもよくしているんですが、“腹筋”を暇を見つけてはこまめにやっています。腹筋と言えば私のことというくらい、腹筋しています(笑)。立ってお腹を凹ましてそのままハーハーハーとお腹に力を入れたまま呼吸するんですが、舞台に出る直前も欠かさないですよ。これをやるとお腹が凹むだけでなくて、姿勢がよくなるんです。男役は凛とした姿勢が命なので、欠かせません。下級生も私の真似をしてやっている人が多いですね。

Q 「蘭寿とむ」の名前の由来は?
変わった名前なので、よく聞かれます。恩師につけていただいたのですが、蘭寿は、フランス語で「天使」の意味を持つ「ラ・アンジュ」からです。とむは、最初は漢字で、「人夢」だったんですね。“人に夢を与える天使のような”という意味を込めてくださいました。でも、全部漢字だとちょっと重たい印象になるので、人夢を、ひらがなにしました。つけていただいた当時、このタイプの名前がなかったので、珍しいとよく言われました。


©宝塚歌劇団

初心者に捧ぐ!宝塚の魅力 基本の「き」

1. 5つの組が順番に公演をする

宝塚歌劇団は、花組・月組・雪組・星組・宙組の5つの組と専科で構成されている。一番伝統があり古いのが花組。一番新しいのが宙組だ。組にも色があって、花組は歴史を重んじて、ややクラシカルな雰囲気。

2. ファンだったら見逃せないパレード
ショーの最後に出演者全員が音楽に合わせ、大階段を降りてきて挨拶をすること。宝塚の舞台はアンコールはないので、これが最後の場面となる。トップスターは大きな羽根を背負って登場する。

3. 連続する公演とレッスンでまとまった休みは少ない
宝塚の宝塚大劇場でまず公演がある。そこで千秋楽が終了したあと、ほんの少しだけ休みを取ってから東京公演に向けてレッスンが。その後、移動→東京公演、さらに地方公演となかなか休みがないのが現実。


<次回公演情報>
ミュージカル『ラスト・タイクーン −ハリウッドの帝王、不滅の愛−』、メガステージ『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』 公演期間 2月7日~3月17日 宝塚大劇場 4月10日~5月11日 東京宝塚劇場

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