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気持ちのいいことが、好き。「“官能”と“快楽”の回路を開くために」

2014.02.06 公開 ツイート

特集<気持ちのいいことが、好き。>

第4回 男と女もっとベタベタしよう! 植島啓司/湯山玲子

チークダンスを復活させよう


植島 みんな、同じことを考えてるんだね。ぼくもこの数年、ダンスをずっとテーマにしてきた。皮肉なもので、うちは踊りの家だったけど、小さい頃は踊りがいちばん嫌いだった。それから、旅に出ることもめんどくさくて嫌いだった。でも、それが年をとるにつれて両方とも仕事になってきたからね(笑)。人生って一周回るんだよね。

湯山 私もね、嫌いなことが仕事になるタイプ。

植島 そうそう、そうなんだよね。自分を不安にさせるものほど本当は興味があったりして。

湯山 自分を何でこんなにイラつかせるんだと思うと、エネルギーが湧いちゃうんだよね。クラブもね、本当は好きではない。わからないからこそ追求したんですよね。

植島 ぼくがいちばん苦手なのは、喫茶店でテーブルでこう向かい合って話したりするシチュエーション。何か窮屈な感じがする。ダンスって顔を合わせなくてもいいじゃない。

湯山 目と目……そうね、そうか。

植島 目って、やっぱりある意味、攻撃性があるから。

湯山 あるある。

植島 顔を合わせているうちに、知らないうちに、お互いの腹を探り合ったりしてる。

湯山 『源氏物語』の時代は、「目合ひ(まぐわい)」って、当時、顔が性器と同じだったから、顔を隠してる。だから、目と目が合うっていうことは、ものすごく欲情するものだっていうのに通じてるのかもしれないですね。外人とペアダンス、たとえばサルサとか踊る時に、奴らがずっと見つめてくる。それがね、できない(笑)。私、目を見てられないんですよ。

植島 それは日本人にはね、できないね。

湯山 目をね、ずっとこうやっててダンスっていうのは、やっぱりドキドキしちゃうね。

植島 あれ、やっぱり肉食動物だよね(笑)。

湯山 そういう感じ。チークは、抱きあうからわかんないもんね。

植島 何か関係性が面倒くさくないしね、温かいしね。

湯山 温かいし、癒されるからね。

植島 だから好きな人たちがみんなそうなったら、すごく幸せな空間ができるわけですよ。
(次回で最終回です)

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植島啓司

1947年東京生まれ。宗教人類学者。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科(宗教学専攻)博士課程修了。シカゴ大学大学院に留学後、NYニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。著書に『快楽は悪か』(朝日新聞出版)、『男が女になる病気』(朝日出版社)、『賭ける魂』(講談社現代新書)、『聖地の想像力』、『偶然のチカラ』、『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』、『生きるチカラ』『日本の聖地ベスト100』(いずれも集英社新書)、『熊野 神と仏』(原書房、共著)、監訳『図説 聖地への旅』(原書房)など。

湯山玲子

著述家、プロデューサー。日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。自らが寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック(通称・爆クラ)」を主宰するなど多彩に活動。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど、カルチャー界全般を牽引する。著書に『クラブカルチャー』(毎日新聞社)、『四十路越え!』(角川文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『ベルばら手帖』(マガジンハウス)、『快楽上等!』(上野千鶴子さんとの共著。幻冬舎)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)などがある。

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