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2014.01.23

第1回

100周年スペシャル企画 月組 龍真咲さんインタビュー

宝塚歌劇団

100周年スペシャル企画 月組 龍真咲さんインタビュー<br />

 「観た者は必ずハマる」という鉄板の法則がある宝塚歌劇団。芸能界はもちろん、ビューティ業界でもコアなファンが後を絶たない。そんな宝塚を支える5人のトップスターの魅力を、特別連載として5回にわたりお届けします!

 

 

Masaki Ryu
12月18日生まれ。大阪府出身。身長171cm。2001年『ベルサイユのばら2001』で初舞台を踏み、月組に配属。歌唱力と美しい容姿を高く評価され、重要な役を早くからこなし、2012年4月、月組トップスターに就任。男役はもちろん、娘役もこなすトップスターとして注目される。
 

実は歌もダンスも劣等生。
下手でも、落ち込んでも、
ただひたすら前に進んできた

                                            Road to TOP STAR

1999年 宝塚音楽学校入学。87期生。
2001年 宝塚歌劇団に入団。『ベルサイユのばら2001』で初舞台。その後、月組に配属。
2004年 7月、TAKARAZUKA SKY STAGEの第3期スカイフェアリーズを務める。
2005年 『エリザベート』の新人公演でルドルフを演じる。
2006年 バウWS『Young Bloods!!(月組)』で初主演。
2007年 『パリの空よりも高く』で新人公演初主演。
2009年 『二人の貴公子』でバウ公演主演 (W主演)。  2010年 『HAMLET!!』で3度目のバウ公演単独初主演。
2011年 初のディナーショーを開催。
 Ⓒ宝塚歌劇団                        2012年 4月、月組トップスターに就任。



トップスターとはただひとりに与えられる称号
 舞台の最後にもっとも大きな羽根を背負って、劇場の大階段を下りてこられるのが、宝塚ではトップスターの証し。でも、その“トップスター”になれる人は、宝塚歌劇団総勢約400人の中でもほんのひと握り。宝塚に入ること自体、選ばれた人材であるにもかかわらず、その中からさらに選び抜かれた人しか、その称号を手にすることはできない。
 

優等生ではなかったのに、トップスターにのぼれた理由
 そんな厳しいトップスターの座について1年半の、月組トップの龍真咲さん。若くしてトップになったことで、大きな話題をさらったが、実はここまでこぎつけるのには、順風満帆というわけではなかったという。

「私は、芸能にはまったく関係ない一般的な大阪の家庭で育ちました。子供のころに、たまたま誘われて天海祐希さんの『風と共に去りぬ』を観に行って、観た途端に“私もこの世界に入る!”と親に宣言していました。
 受験ができる時期になって、願書を取り寄せたら、その受験項目の多さに驚いて、慌ててレッスンをして、どうにか入学したのですが、それからが大変で。なにせ基礎ができていない。バレエや日本舞踊、ピアノなど、ついていくのに必死。同級生には、もうすでにタカラジェンヌじゃない!というくらい完璧な人もたくさんいて、そんな人たちに囲まれると自分に自信が持てなくて、当時はグランドピアノの下を居場所にしていたこともありました(笑)」

 宝塚には課外授業というのがあり、高い技術を持っている人がそれをより極めるためのAクラスと、基本的な課題の多くあるDクラスがあった。龍さんは、そのDクラスに……。

「実は、今ほかの組で活躍している人たちの中にも、Dだった人、意外といます(笑)。これは宝塚のいい伝統で、できるまで面倒を見てくださるんです。とにかく必死でついていくしかなかったので、“できない”と落ち込んでいる暇は正直なかったですね」
 

悩んでも明日は来るだったら小さな1歩でも先に
 でも、周囲はどんどん昇格していくのに、自分はできないまま……。悔しさや「辞めてしまおう」と投げやりになる瞬間はなかったのだろうか?

「もちろん、できないという事実には落ち込むこともありました。でも、宝塚には100年の歴史があるわけです。宝塚に入った人は皆このレッスンを乗り越えたんだ、と思うと、私だけが諦めるなんてできなかったですね。
 それに、上手にできなくても、舞台の幕は上がってしまうわけです。できないから今日はお休みします! とはいきません。中途半端でも舞台は待ってはくれません。しかも、その中途半端さを、観客の方がそのままご覧になってジャッジを下すわけです。評価はダイレクトに自分に跳ね返ってくる。そう考えると、いつまでもウダウダと考えて落ち込んで舞台に影響させたくないと思ってしまいますね。
 でもこれって、ほかの仕事も同じなのではないかと思うんですね。壁にぶち当たって乗り越えられないと悩んでも、明日は誰にも必ず来るわけです。だったら、とりあえずやる。愚痴を言うのは簡単だけど、その時間があったら私は黙って進むほうを選びます。ずっとDクラスでくすぶっていた私が言うんですから、この選択は間違っていないと思います(笑)」
 

トップになったことで見えてきた自分と新しい自分
 そんな下級生時代を経て、トップスターというポジションについた龍さん。立場が変わったことで、新たに見えてくるものがあったという。
 組のトップといえば、ひとつの組織のリーダーと同じだ。同じ舞台を成功させたいと思う仲間でもあり、ライバルでもある。さらに、上級生よりも下級生が目立つポジションになることもある。そんな難しい人間関係や雰囲気をうまく盛り立てていくのもトップの役割だと、龍さんは言う。

「だからといって、自分勝手に走ってはいけないと思っています。下級生にも上級生にもできるだけ声をかけ、何でも話せる環境を作ることが大事だと、考えるようになりましたね」

 さらに、演じることにも新たな想いが膨らみ、形になってきているという。
 2014年1月、大阪で龍さんは『風と共に去りぬ』の舞台に立つ。実はこの舞台で、龍さんは、男役ではなく、スカーレット・オハラという娘役にチャレンジをする。
「男役にはもちろん、こだわりがあります。昔、私自身が宝塚ファンだったため、男役に求めるファン心理もわかるので、私が理想とする男性像を追い求めて演じていきたいと思っています。
 でも、機会をいただけるのなら、男役以外にもチャレンジしたいと思っています。過去にも男女ともに演じられる方はいらっしゃったのですが、久々にチャレンジすることができて、とてもうれしいですね。宝塚のよき伝統はきちんと守っていくことが大事だと思っていますが、そのなかで、私なりに新しいことを少しずつプラスできたらと思っています。
 こんなことを言うと異端児だと思われるかもしれませんが、もともと優等生ではなかったので、周囲もあたたかく見守ってくれているのかもしれません(笑)。でも、端っこで踊っていた時代を経験しているからこそ、自分ならではの“何か”も作り出していきたいですね」


 

龍真咲さんに教わる トップスターの美学
打たれるほどに苦労するほどに、美しく成長を遂げた龍さん。きっと読者のみなさまも、共有できる想いは多いはずです。そんな龍さんの心に秘める美学がもっとみたくて、さらにプライベートな想いに、一問一答で迫ってみました!
 

Q自分の個性を見つけるにはどうしたらいい?
自分をしっかり持つ、ということが大事だと思います。私の場合、舞台という特殊な世界なので、個性を磨くためには「感受性」を高めることが大事だと思っています。見るもの、話すもの、食べるもの、聞くもの、すべてをきちんと吸収していきたい。そのためには、常に、アンテナを張っていないとダメだなと思っています。忙しいけど、雑誌を見て、流行りも把握するようにしています。そういう積み重ねが個性になるのでは?
 

Qトップというポジションに立つために努力したことはありますか?
努力は皆していると思うので。多くの方は、大きな野心を持って「いつかトップになってやる!」と日々努力していた、と思われるかもしれませんが、私の場合、落ちこぼれぎみ(笑)だったので、そんな大きなスケールの夢は描きませんでした。とにかく、目の前にある課題をひとつずつ乗り越えていく。地味ですが、1段ずつ上がってここまで来られた感じです。小さな成功体験を積み重ねていくことで、自信が持てるようになったと思いますね。


Q周囲からのプレッシャーをどう乗り越えている?
正直言うと、プレッシャーはありますが、止まってはいられません。プレッシャーだ、う~ん……、と悩んでいる時間がない(笑)。悩んでもレッスンは始まり、すぐ公演、また次回のレッスンなので、プレッシャーを感じて落ち込んでいる余裕がないのかもしれません。でも、それが逆に発想をポジティブにしてくれていると思います。人は止まってしまうと考え込んでしまうと思うので、とにかく進む、止まらないことは大事だと思います。
 

Qトップに立ってから見えてきたことや気付いたことを教えて
自分自身の演技だけでなく、組の雰囲気作りが大事だということを前以上に感じるようになっています。忙しさに飲まれてしまいそうになりますが、できるだけ多くの上級生や下級生に声をかけるようにしています。舞台中も袖で、ちょっと間があるときには、「調子は?」など、とにかく声をかける。顔を見て声をかけると連帯感が生まれるんですよね。その連帯感が組の結束力にもつながるので、一番大事にしている部分です。
 

Q落ち込んだときの対処法はどうしている?
落ち込みは引きずらないようにしています。翌日の公演に影響してしまうので。舞台ではひとりではないので、落ち込んでいたら周りに迷惑をかけてしまいます。誰かに話すことで、落ち込みを解消する人もいるかもしれませんが、私はひとりで消化します。答えは自分のなかにあると思うので。「落ち込んだり、悩むよりも1秒でも前に」が、私のモットーです。

 
Q激務をこなすためのメンテナンス法は?
とにかくしっかり休むこと。舞台でショーを演じているので、そのとき体を動かしているから、「ストレスを発散する」という部分はクリアしているんです。だから、私に必要なのは「休養」と「遊び」(笑)。稽古中は、自分の好きな香りのボディオイルでこれでもかってほどマッサージします。寝るときにも香りが残っていると眠りが深くなるので、疲れが取れます。
 

Q美しいスタイルを保つためにしていることは?
舞台で動いているので、特別な運動はしていません。汗も稽古中、公演中としっかりかいているので、運動不足にはならないです。でも、食生活は乱れがちになるので、野菜を積極的に摂ったり、血のめぐりをよくするサプリを摂ったり、美肌や美白にいいというので、ハト麦茶をよく飲みます。きちんと食べるということを心掛けるようにしていますね。
 

Q正直、もう辞めたい!と思ったことはある?
落ち込んでも、辞めたいと思ったことはありません。それは私自身も宝塚の大ファンで、苦労が実った末に入れたので。入ってみたら、宝塚の歴史の重みを感じ、みんなこの試練を乗り越えてきたんだと思うと、自分も踏ん張れるはずだと。また、両親にも宝塚に入るために苦労をかけたため、両親の想いにも応えたいという気持ちもありますね。
 

初心者に捧ぐ!宝塚の魅力 基本の「き」
1 公演は、芝居とショーの2本立てが基本
宝塚の公演は、2部構成の場合が多い。前半がいわゆる芝居で(約1時間30分)、後半はショー(約1時間)で歌やダンス中心。上演時間は休憩時間などを合わせて、約3時間が定番。1回で2度おいしいのだ。
 

2 ヘア&メイクも 自分でしている!
入団前にメイクに関する簡単な基礎レッスンはある。が、実際には、上級生のメイクなどを真似たりしながら、自分に合うメイクの形を作り出していく。公演中でも微妙にメイクは変化していくという。
 

3 羽根の大きさがトップの証し
ショーの最後にあるパレードで、ラストに差し掛かると大階段から羽根を背負ったスターが下りてくる。羽根の大きさはいくつかあるが、その大きさはスターのポジションにより決まっている。

 



Ⓒ宝塚歌劇団
 

<次回公演情報>
日本絵草紙『宝塚をどり』、プチ・ミュージカル・プレイ『明日への指針』、グランド・レビュー『TAKARAZUKA 花詩集100!!』
公演期間 宝塚大劇場3月21日(金)~4月28日(月) 東京大劇場5月16日(金)~6月15日(日) http://kageki.hankyu.co.jp/
 

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