毎日を1%ずつ新しく生きる! 刺激と感動のマガジン&ストア

★がついた記事は無料会員限定

2014.01.17

2つの「マンガベスト10」から思うこと
——マンガの自己言及性への危惧

中条 省平

2つの「マンガベスト10」から思うこと<br />——マンガの自己言及性への危惧

『重版出来!』以外は重ならない2つのベストテン

 今回は毎年恒例のマンガベスト選出企画に基づく2013年日本マンガの回顧です。まずは2種類のベストテンを掲げます。
 まずは「フリースタイル」誌2014年冬号の特集「THE BEST MANGA 2014 このマンガを読め!」によるベストテンです。

      1位 吾妻ひでお『アル中病棟 失踪日記2』(イースト・プレス)
 

      2位 松田奈緒子『重版出来!』(小学館、既刊2巻)

     3位 近藤ようこ画/坂口安吾作『戦争と一人の女』(青林工藝舎)

     4位 村上もとか『フイチン再見(ツァイチェン)!』(小学館、既刊1巻)

     5位 九井諒子『ひきだしにテラリウム』(イースト・プレス)

     6位 いがらしみきお『I【アイ】』(小学館、全3巻)

     7位 フランソワ・スクイテン画/ブノワ・ペータース作『闇の国々』(小学館集英社プロダクション、全4巻)

     8位 庄司創『三文未来の家庭訪問』(講談社)

     9位 施川ユウキ『オンノジ』(秋田書店)

     10位 コージィ城倉『チェイサー』(小学館、既刊1巻)

   つづいて年1回刊行のムック『このマンガがすごい! 2014』(宝島社)によるベストテン。ただしこのベストは例年「オトコ編」と「オンナ編」に分かれているので、それぞれのベスト5を紹介することにします。

「オトコ編」
     1位 松井優征『暗殺教室』(集英社、既刊7巻)

     2位 佐野菜見『坂本ですが?』(KADOKAWA、既刊2巻)

     3位 桜井画門『亜人』(講談社、既刊3巻)

     4位 松田奈緒子『重版出来!』

     5位 鈴木央『七つの大罪』(講談社、既刊6巻)

「オンナ編」
     1位 穂積『さよならソルシエ』(小学館、全2巻)

     2位 池野恋『ときめきトゥナイト 真壁俊の事情』(集英社)

     3位 小玉ユキ『月影ベイベ』(小学館、既刊2巻)

     4位 森下suu『日々蝶々』(集英社、既刊6巻)

     5位 東村アキコ『かくかくしかじか』(集英社、既刊2巻)

 以上です。毎年思うことですが、「フリースタイル」はハイブラウなインテリ向けというかサブカルチャーのマニア向けの傾向が見られ、『このマンガがすごい!』のほうは売れ線重視というか王道尊重の感じがします。つまり、かなり異なったベスト選出の特徴があるのです。それにしても、ベストテン2種のうちで選出の重なった作品が唯一『重版出来!』しかないというところに、日本マンガの趣味嗜好の多様さと拡散ぶりが明確に表れています。

 これらのなかで、私が本時評で取りあげたのは、『戦争と一人の女』『I【アイ】』『闇の国々』『オンノジ』の4作です。すべて「フリースタイル」の選出に含まれている作品で、『このマンガを読め!』とは1作も重なっていません。というわけで、私の時評もインテリ向けでサブカル色が強いといえるのかもしれません。

ログイン

ここから先は会員限定のコンテンツ・サービスとなっております。

無料の会員登録で幻冬舎plusを更に楽しむ!会員特典をもっと見る

会員限定記事が読める

バックナンバーが読める

電子書籍が買える

イベントに参加できる

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

中条省平『マンガの論点』
→書籍の購入はこちら(Amazon)

10年前すでに戦争とテロと格差社会を描いていたマンガは、つねに世相の3歩先を映し出す予言の書である。そしてその後、何を予言し的中させてきたか。マンガを論じるとは、まさにこれを読み解くことでもある。『デスノート』『ソラニン』『すーちゃん』『へうげもの』『闇金ウシジマくん』『20世紀少年』『この世界の片隅に』『JIN-仁-』『PLUTO』『鋼の錬金術師』etc.からフランスのマンガBD【ルビ:ベーデー】まで、この10年間の数百冊を取り上げ、読み方のヒントを明示し、現代日本そのものを読み解く。


中条省平『マンガの教養』
→試し読み・電子書籍はこちら
→書籍の購入はこちら(Amazon)

マンガなど読んでいてはバカになる―そう嘆く世の風潮を激しく批判し、マンガと劇画を擁護した三島由紀夫は、かつてこう説いた。「若者は、劇画や漫画に飽きたのちも、これらを忘れず、突拍子もない教養を開拓してほしい。貸本屋的な鋭い荒々しい教養を」と。そして今、大学中心の教養主義が崩壊し、かつて「反」の象徴だったマンガが教養として語られる時代となった。ギャグから青春、恋愛、歴史、怪奇、SFまで豊饒たるマンガの沃野へ踏み出す第一歩のための、最適な傑作100冊とその読み方ガイド。

記事へのコメント コメントする

コメントを書く

コメントの書き込みは、会員登録とログインをされてからご利用ください

おすすめの商品
  • ピクシブ文芸、はじまりました!
  • 文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
  • 無理しないけど、諦めない、自分の磨き方
  • 時短、シンプル、ナチュラルでハッピーになれる!
  • ビジネスパーソンのためのマーケティング・バイブル。
  • 有名料理ブロガー4名が同じテーマでお弁当を競作!
  • ドラマこそ、今を映すジャーナリズム!
  • 砂の塔 ~知りすぎた隣人[上]
  • 小林賢太郎作品一挙電子化!
  • あなたがたった一人のヒーローになるためには?
朝礼ざんまい詳細・購入ページへ(Amazon)
文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
ピクシブ文芸、はじまりました!
エキサイトeブックス
今だけ!プレゼント情報
かけこみ人生相談 お悩み募集中!