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2013.09.01

第3回

デイノケイルスの謎とは?

小林 快次

デイノケイルスの謎とは?

「こんなに近くを見落としていたなんて信じられない。思い込みって、全ての見方を変えるものだね」とメンバーの一人が言う。
 こんなところにあるはずがない、既に確認したから絶対にここではない、と思っていても、実は見落としていたということはいくらでもある。非常に苛立たしいが、どんなに自分なりにしっかりと見たつもりでも、思い込みによって見落としが出てしまう。それでも、我慢強く捜索を続けることによって、私たちはデイノケイルスの産地を見つけ出した。
 白黒写真と、寸分違わずぴったりと合う風景。1965年に撮られた写真ということは、43年前の風景だ。しかし、目の前の風景は、この白黒写真そのものである。全くといっていいほど、変わっていない。丘や谷の形だけではなく、そこに転がっている石までも同じだ。 
 その変わらない風景に驚き、まるで40数年前にタイムスリップしたような感覚になる。ポーランドとモンゴルの研究者が、デイノケイルスを見つけたその瞬間に立ち会い、彼らと発見の喜びを一緒に分かち合っているような気にもなる。私たちの頬をかすめていくそよ風を、彼らも同じように感じていたのだろう。ゴビ砂漠は、私たちの世界とはかけ離れた、ゆったりとした時間が流れ、40数年の月日を感じさせない。
 謎に包まれた恐竜は、ここで発見された。私たち古生物学者を惑わせる、想像を絶する大きな腕。デイノケイルス発見地の再発見は、私が初めてデイノケイルスの本物の骨を見たときの驚きを思い起こさせた。

それは、12年前に遡る。2001年、場所はフィンランドのヘルシンキ。

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