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2013.08.01

第2回

デイノケイルスの発見地を求めて砂漠をさまよう

小林 快次

デイノケイルスの発見地を求めて砂漠をさまよう

2008年の夏、私たちは写真を片手に炎天下の中ゴビ砂漠を歩いていた。崖の淵で、右手に持った写真と目の前の風景を見比べていた。
「似ているけど、違うな……」
 その写真とは、ポーランドの調査隊が1960年代に撮っていたデイノケイルス発掘現場の白黒写真。

デイノケイルスは、1965年にポーランド・モンゴル古生物学調査隊の一人、キエラン・ジャウォロウスカ博士によって発見された。発見場所は、モンゴルのゴビ砂漠に広がるネメグト盆地のアルタンウルという恐竜化石産地である。この恐竜化石産地は、アルタンウルという山の麓に広がる谷であるため、アルタンウルと呼ばれている。“アルタン"は“金の"、“ウル"は“山"という意味である。この産地からはティラノサウルスの仲間であるタルボサウルスを始め、多くの化石が発見されている世界でも有名な場所だ。

 

私たちは、デイノケイルスの発見場所を特定しようと、白黒写真を頼りにアルタンウルをさまよっていたのは、ポーランド・モンゴルの調査隊が、決して発掘場所の記録を残していなかったからというわけではない。私たち研究者が調査や発掘を行う時には、必ず産地や発掘の記録を残す。発見場所がどこであるか、化石がどのような状態で発掘されたか、どの地層から発見されたかなど、あらゆる情報を記録として残す。
 彼らももちろん、様々な記録を論文に残している。その中でも、発見場所を探すのに有効なのが、写真と地図である。現在は、GPSを使って誤差数メートルで位置を記録することができるが、当時描かれた地図は、正確さに欠ける。地図を頼りに、発見場所を探そうとしても特定の場所にたどり着くことは非常に難しい。それは、まるで宝探しのように、残されたヒントをもとにデイノケイルスの産地を探し当てる作業である。

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