民主党ビル・ネルソン上院議員。米国大統領が民主党のときも共和党のときも変わらず18年間、議席を守り続けてきた。(2018年3月14日、上院司法委員会で。提供:TNS/ニューズコム/共同通信イメージズ)

2020年大統領選挙の勝敗も占う米国の「今」の象徴・フロリダ

 フロリダ州は大統領選挙で勝敗を分けることになるスウィング・ステイト(接戦州)として名高い地域だ。2018年5月段階で白人56.1%、ヒスパニック23.7%、アフリカ系15.5%、アジア系・その他4.7と人種の多様化も進んだ地域であり、米国の「今」を象徴する地域だとも言える。つまり、フロリダで勝利した陣営こそが2020年の大統領の椅子を手にすると言い換えることもできる。

 そのフロリダ州で現職大統領が共和党・民主党のいずれであっても議席を守り抜いてきた人物がいる。今回2018年の改選議席である民主党のビル・ネルソン上院議員である。2000年に上院議員に僅差で当選して以来、2006年・2012年に共和党の挑戦者を退けて議席を18年間、維持し続けている。フロリダ生まれ、フロリダ育ち、フロリダで弁護士になり、フロリダ州議員、連邦下院議員としてキャリアを積んで上院議員になったコテコテの地元民だ。そして、連邦下院議員時代には、連邦議員として2人目に宇宙飛行船に乗り込む機会を得るなど、面白いキャリアを持った人物でもある。

リック・スコット共和党上院議員候補。元フロリダ州知事という強力な知名度と組織力と、資金で民主党の牙城に挑む。これで獲れなかったら、フロリダは今後も民主党盤石州となるかもしれない。(2018年9月6日、共和党統一集会の様子。提供:TNS/ニューズコム/共同通信イメージズ)

 共和党の上院議員候補者はリック・スコット州知事である。州知事としての任期を終えて、同じ州全域を対象とした選挙として行われる上院議員に転出した形だ。スコットは、全米有数の病院チェーンの経営者を務めた後、ベンチャーキャピタリストとして巨万の富を築いた人物である。元州知事という圧倒的な知名度と組織力を維持しつつ、自前で巨額の選挙資金を用意しており、同じく豊富な資金力・組織力を持つネルソンに唯一対抗できる共和党候補者である。上院議員選挙でスコットが勝利した場合、フロリダ州で勝利できるという看板はトランプ以後に共和党の有力な大統領候補者として名乗りを上げるために十分なものと言えるだろう。

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渡瀬裕哉『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ―奇妙な権力基盤を読み解く』(産学社)

トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、その後も情勢分析の正確さから、日系・外資系ファンド30社以上の支持を得るアナリストが、2018年中間選挙、そして2020年米国大統領選までの未来を独自予測。日本への多大なる影響と、対応策について解析・提言。