他人ごとではない海外旅行時の保険事故発生率

William_Potter/iStock

海外旅行時の保険事故発生率3.42%。

これを高いと考えるか低いと考えるかは人それぞれだと思いますが、29人に1人が事故に遭っていると言いかえると、「意外と高い」もしくは「意外と多い」と感じてしまうのは、私だけではないと思います。

この数値はジェイアイ傷害火災保険株式会社の公表している「2017年度海外旅行保険事故データ」に記載されている情報で、同保険会社の海外旅行保険の加入数に対して、保険金の支払いがあった件数の割合です。携行品の損害に対する保険の支払いも含まれていますので、そのくらいは発生するかもしれないな、と思いつつ、他人ごとではないのだと実感させられます。

ちなみに、同レポートによれば、
『「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故は世界各地で発生していますが、特に欧米で多くなっています。なお、当社で 2017年度「治療・救援費用」の支払いが 300万円以上の高額医療費用事故は 68件、その内 1,000万円を超えた事故は 8件となっています。また、治療・救援費用の保険金支払最高額は、3,588万円となりました。』
とのこと。

海外旅行の際にクレジットカード付帯の保険を利用することは有用ですが、保証額の大きいものでも数百万円かと思います。

私も海外に行く際には常に治療費用等が無制限の保険に加入していますが、データを見てあらためてその重要性を認識しました。

海外で治療を受けたら2年以内に申請を

ところで、海外の治療費用を日本の公的保険(国民健康保険や協会けんぽなど)でまかなえないかといえば、可能性はゼロではありません。

日本の保険診療に該当する治療に関しては、海外療養費制度を利用することができます。

海外で治療を受けた際、その内容が日本における保険を使える診療に該当する場合、日本でかかる治療費の額までは、日本の公的医療保険を利用できるという制度です。

この制度を利用すれば、日本で同様の治療を受けた場合にかかるであろう金額の自己負担割合(一般的なサラリーマンの場合3割)と、その額を超えた分は自己負担となりますが、残りは取り戻すことができます。

「実際の治療費<日本でかかるであろう額」の場合、「実際の治療費ー実際の治療費に対する自己負担割合を乗じた額」が戻ってきます。

もちろん、まずは、海外で自力で支払いをする必要があり、お金が戻ってくるのはあくまでも申請後になりますけれどね。

また、治療目的で海外に行った場合など、この制度を利用できないこともあります。

ただ、海外で治療費の支払いをした翌日から2年間は、診療時の書類など必要な書類が残っていれば、過去のものでも申請可能ですので、心当たりのある方はぜひ申請をしてみてください。

海外療養費申請のための書類は加入している保険制度によって異なります。実際に海外で治療をした際に、何が必要なのかを冷静に調べている余裕はないかもしれませんが、公的な健康保険には、上記の海外療養費だけではなく、高額療養費制度など、加入者の自己負担が重くなりすぎないよう救済する方法が用意されていることは、ぜひ頭の片隅に入れたおいてください。

海外の治療費用に限った話ではないですが、「何百万円も何千万円もかかった」といったセンセーショナルな情報に驚かされるだけで終わることなく、それに対する公的な救済制度がないかを冷静に調べてみる姿勢が重要です。

そして、制度のすべてを事前に知ろうとすると大変だと思いますので、いざというときに申請できるよう、普段から、書面をきちんと入手し、保管しておく習慣を身につけておくことをおすすめします。

この記事をシェア
この連載のすべての記事を見る

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

平林亮子『お金で損しない超基本20』
→試し読み・電子書籍の購入はこちら(幻冬舎plus)
→電子書籍の購入はこちら(Amazon)
 


平林亮子『損しないのはどっち?』
→試し読み・電子書籍の購入はこちら(幻冬舎plus)
→書籍の購入はこちら(Amazon)