幻冬舎文庫の9月の新刊は、上田秀人さんの大人気シリーズと、新野剛志さんの大エンタメです。男の意地とプライドがぶつかり合う男の世界は生半可な気持ちでは生き抜いていけません。ましてやそこで勝利するためには、心身ともに「強さ」が必要かもしれません。ビジネス書やハウツー本では得られない、本当の「男の美学」を、小説世界でたっぷりお楽しみください。

町奉行同士が出世をかけて激突!――中間管理職はツライよ?

町奉行内与力奮闘記七 外患の兆上田秀人

多額の被害が出た盗難事件を巡って、南町奉行から喧嘩を売られた曲淵甲斐守。勝てば出世、負ければ没落の同役対決に敗北は許されぬ。内与力・城見亨は盗賊捕縛のために奔走するが、そこには意外な落とし穴が。一方、甲斐守との暗闘に敗れた元筆頭与力は人知れず復讐心を滾らせていた……。職務に忠実なればこそ敵は増える一方か? 怒濤の第七弾。


 

担当編集者の激推しコメント

僕は上田さんから本シリーズの原稿をいただくたびに、主人公の城見亨に並々ならぬ感情移入をしてしまいます。有能すぎる上司=江戸町奉行に臣従しつつ、私腹を肥やしたい部下=与力、同心を監督しなきゃいけない内与力・城見亨。現代風の言葉で言えば、まさに中間管理職。上は容赦なく命令してくるし、下は言うこと聞いてくれないし……。職務を果たすために大事になるのは、厳格さではなく良い意味での曖昧さ。でも、城見亨には若さゆえの正義感があるので、始めのうちは現実の泥水を啜れません。その彼が理想と現実の狭間で成長していく姿は、感動必至の面白さです! 未読の方はぜひ!

「武蔵野連合」真嶋は何者か?――タブーに挑んだ大エンタメ

『キングダム』新野剛志

岸川昇は、リストラにあい失業中。偶然再会した中学の同級生、真嶋は「武蔵野連合」のナンバー2になっていた。真嶋に誘われ行った六本木のクラブでは有名人たちが酒と暴力と女に塗れ……。そんな中、泥酔し暴れる俳優に真嶋が「自分で顔をナイフで切れ」と迫る――。絶叫と嬌声と怒号。欲望を呑み込み巨大化するキングダム。頂点に君臨する真嶋は何者か。タブーに挑んだ怪物的エンタメ!


 

担当編集者の激推しコメント

深夜。スマホを覗き込み、つい「有名俳優が夜の六本木で暴力事件」「超人気アイドルの黒い交際」「裏社会を牛耳る男の素顔」というおっかない記事を見てしまうあなた。その気持ち、わかります。自分の生きている世界と地続きで、こんなに恐ろしい世界が実在しているなんて、と震えながら、その如何わしさに引き込まれてしまう。「自分には関係ない」という軽蔑はいつしか「なんでこんな奴が」という嫉妬に変わり、やがて認めたくなくとも羨望に変わる瞬間ーーあなたも、野望渦巻く”王国”に飲み込まれているのだと思います。共感無用。「悪」を堪能する大エンタメをお楽しみください。

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