三泊四日の高知旅も最終日。

 本来なら二泊三日でもいけるくらいのプランを、あえて三泊にする。すると、「おまけ」ができる。おまけはゆとりであった。

 夕方、飛行機に乗るまでの時間は、観光というより喫茶店でのんびり。

 まずは、はりまや橋近くの老舗の喫茶店へ。細い階段をのぼった二階。昭和レトロの店内は奥に縦長で、小さいけれど圧迫感はない。カフェオレを注文すると、熱々のコーヒーとミルクがトレーに乗って別々の容器に出てきた。洗いものが増えて大変だろうに……と案じつつ、コーヒーとミルクを自分で混ぜ合わせるのは楽しい作業なのだった。

 旅先で、旅とは関係のない話をする時間もよいものだ。先週観た映画のことや、最近よく見かける近所の猫の話。どうということもないけれど、湧き上がってくる楽しい気持ち。ちなみに、雑誌や新聞が置いてある店では、わたしもうちの彼もたいていそちらを熟読。向かい合い、別々のものを読むわけである。けれど、それはスマホをのぞいているのとは違う感覚があった。ページをめくる音。今、ここにいる感じ。スマホほど遠くにはいかない。ふたりでいるときは、スマホはほとんど見ないのだった。

 小一時間のんびりし店を出た。散歩しつつ向かった先は、次の喫茶店である。わたしは日頃から喫茶店が大好きだった。結局、最終日は3つの老舗喫茶店をはしご。

 高知の喫茶店は、モーニングセットがハンパない。

 まず時間。朝から昼の3時くらいまで普通にやっている。メニューも豊富で、量もある。それで500~600円ほど。最後にあったかいお茶が出る店もある。

 朝食はホテルのビュッフェで済ませたので、喫茶店では飲み物だけだったのだが、モーニングセットとほぼ変わらない値段になるため、

 モーニング食べて欲しいな~、食べればいいのに~

 という店員さんたちのビームを感じ、

 高知県民って、やっぱいいわ~

 と、高知を後にしたのであった。

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