11月28日(水)

 なんだか眠りが浅くなり、本日も4時間睡眠で6時起床。起きた瞬間、廊下にダラのウンコが転がっているのを発見する。チャリばかりかまい続けているので明らかにスネた様子。犬ってやっぱり変に頭が良い、と思う。もう一匹の猫ズ妹=プルは、まったく「かまってちゃん」要素のないマイペース猫なので変わりないのがせめてもの救いだ。
 今日も餌を食べないようなら、レントゲンはともかく栄養点滴をしてもらいに行かねばと思いつつ原稿を書いていた朝9時10分。珍しく家の電話が鳴った。
 世間的にはビジネスタイムだけど、出版業界的にはまだ早朝。こんな時間に電話がかかって来たら、それはもう相当にヤバい状況が発生している報せである。それは、普段の私の暮らしぶりを知っている家族関係でも同じで、いずれにしても良い報せである可能性は皆無だ。そんなわけで、ビクビクしながら受話器を取ると、相手は「〇×△の□◇と申しますが、藤田香織さまでいらっしゃいますでしょうか」と丁寧かつ爽やかに仰った。ビクついていたので相手の身元を聞き逃してしまったのだが、私は確かに藤田香織であるので、とりあえず「……はい、そうです」と応えたところ、「昨日、財布落としませんでした?」という旨を、非常に丁寧に訊ねられた(先ほど〇×タクシーから弊社に連絡がありまして、恐れ入りますが藤田様、先日、タクシーの車内にお財布をお忘れになられませんでしたでしょうか? みたいな、どこか微妙な言い回しで)。
 財布? 財布? えっ財布!? 落としたの? 私!? ……全然気付いてなかった!
 聞けば、タクシーの運転手さんが気付いて、中身を改め、クレジットカードが入っていたのでその会社に連絡をくれたのだと言う。本人は落としたことにも気付いてなかったのに、わざわざカード会社に知らせてくれた運転手さん。でもって、こちらが訊ねる前に、既に不正利用されていないかを調べた上で連絡をくれたカード会社のお姉さんは、更に「念のため(カード番号が他者に知られてしまったので)新しいものを発行致しますので、お手元のクレジットカードは破棄して下さい」とまで言ってくれた。凄い。誰も彼も凄くちゃんとしてる! 
 自慢じゃないが、私はしょっちゅう財布を無くしたり落としたりするのだけれど、こんなふうに連絡を貰ったのは初めてで、なんだか感動してしまった。早速、教えてもらったタクシー会社に電話をし、住所を教えて貰い、近々受け取りに行きます、と伝える。
 しかし問題は、その財布の中に運転免許証も入っていたため、タクシー会社に車では取りに行けない、という事実。そしてタクシーで行くにも財布がない、という事実。さらに今日は、いろいろギチギチなため、呑気に自転車で往復している時間はとてもない、という事実。っていうか、これじゃ、チャリを病院に連れて行くこともできないじゃないか!
結局、どうにか一区切りついたときには、夜の11時になっていた。どこかでちゃんとお礼の品を買って行こうと思っていたのに、これといった店はもう閉まっていて、結局、コンビニの珈琲あれこれになってしまった。仕事もペットの世話も、常識的な振る舞いも、ことごとく、ちゃんとできない自分が情けない。
 深夜に帰宅後、チャリ、ようやく立ち上がりウエットフードを半分ほど食べる。立った!立った!チャリが立った! と喜んでいたら、ダラが飛んできてキュウキュウ鳴いた。    
「ダラー! 良かったね!」と興奮気味に言うと、どてっと腹を見せて寝ころび、グフグフ息を吐きながら「いいから私を撫でたまえ!」と言った。いやもう絶対、そう言った。……犬ってやっぱりバカ可愛い、と思う。
 

あれこれ手をかけている余裕ゼロの人間の食事。悲しい!もうこの写真見てるだけで悲しいわ!

<最近の読書>
『グだくさんのグ!!』(グレゴリ青山著/KADOKAWA¥1050)
……未だ「メディアファクトリー」表記であるべきなのか、「KADOKAWA」でいいのか悩みつつ。グレゴリ青山は、その物事に対する偏愛ぶりが好きなのだけど、今回はフィギュアスケートについて多くのページが割かれていて尚楽しい。スケオタ街道を驀進するきっかけになった四大陸選手権観戦記は感動&爆笑。いやわかる、わかるけど! ちみちみ読みたいエッセイ漫画でございます。

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