毎年この年齢を一つ重ねる頃になるとやってまいりますのが“年に一度のババアの悪ふざけ”タイム。そうです、単独ライブです。今年は6月14日(木)銀座博品館劇場にて“いとうあさこお誕生日会「忘れな草~覚えないんじゃない 忘れるんだ~」”をやらせていただきました。

 今年は48歳と言うことでオープニングはフネさんでいきました。ええ、サザエさんのお母様・フネさんです。いやね、48歳って何かないかなぁ、と思いまして。いろいろ調べたんですよ。そうしたら“西郷隆盛が西南戦争を起こした年”とか“アレクサンダー・フレミングと言う方がペニシリンを発見した年”とか“聖徳太子が亡くなった年”とか。そんな中突如飛び出してきた情報が“フネ48歳”。え? ホントに? 細かく言うと今は“50ゥン歳”と言うフワッとした年齢になっているそうなのですが、原作で48歳とのこと。41歳の時、♪41歳の春だから~、なんて歌いながら「とうとうバカボンのパパと同い年だよぉ」なんて嘆き笑いましたが、今度はまさかのフネさんと同い年。いやいや、待ってくださいよ。だってフネさんですよ。サザエさん一家の“おばあちゃん”ですよ。48歳って言ったらマライアキャリーも同い年なんですよ。ねえ、想像してみて? 私、フネさん、マライア。はい、花の同級生トリオです。……怖い。

 そんな葛藤の末、「フネさんやろう」ってなりまして。なら白髪のカツラとか作らなきゃいけないかなぁ、なんて改めてちゃんとフネさんを見たところクリビツテンギョー。白髪が全然ない。しかも今、髪が短いので一つに結ぶとフネさんの髪型にそっくり。(松浪健四郎さんにも似ておりますが。)その上二人共、丸顔&富士額なもんですからカツラなどの準備なくそのままでいけるな、と。むしろ私の方が若干ハゲてる位だぞ、と。私、もう、フネさんでした。あがいてすいません。

 ちなみにですが私がずっと大好きだったユパ様。「風の谷のナウシカ」に出てくる、なんて言うんだろう。んー、“すげぇ人”です。風の谷の重鎮です。とにかく強くて優しくて、頼りになりまくりのヒゲのおじさんです。私はずっと“元気な長老”くらいに思っていたんです。そんなユパ様の年齢も調べていたら出てまいりまして。なんと……45歳。45ですよ、45。私より3つも年下。ユパ様が中1の時、私高1。“様”を付けて呼んでいた人より私、3歳も上だったなんて。ああ、これが一番ショックかも。

 そしてライブではもう一つ48を。48で忘れちゃいけないのがやはりAKB48グループ。実は単独ライブのラストに必ずやる完コピダンス、と言うのがありまして。映画「フラッシュダンス」のオーディションシーン、「シカゴ」のダンスシーン、そして欅坂46・SPEED・E-girlsなどのPVの芝居部分も含め全部動きを覚えて再現してきたのです。中でもAKB48は本当にお世話になっていて(勝手に)。「RIVER」「ポニーテールとシュシュ」「Everyday、カチューシャ」。テレビの企画も含めると「会いたかった」「恋するフォーチュンクッキー」「Lie(ノースリーブス)」など数え切れないほどお世話になっております(勝手に)。そして今回48歳ですから。そりゃあ48グループの楽曲をやるしかない、となりまして。ただ何の曲にするか悩みました。初めて覚えた「RIVER」をもう一回という案も出たのですが、せっかくですから何か新しいものを踊りたいな、と。ホントに長い事悩んだ末に出した結果は「真夏のSounds good!」。それもただの「真夏のSounds good!」じゃない。JKT48の「Manatsu no Sounds Good!」です。

 JKT48。ジャカルタ48。インドネシアです。ファミレスで何かないか考えていたときに「そう言えば」と、ふと世界の48グループを思い出してチェックしてみたんです。そしたらJKT48のPVにたどり着きまして。なんて言うかねぇ、かわいいんですよ。垢抜けてないと言うか。あ、わからないですよ。インドネシアから見たら垢抜けているのかもしれないけど、私からするとちょっと素朴と言うか。でもその感じがすごく良くて。で何回もPV観てたら「岡山のフルーツ大使も務めたメロディー・ヌランダニ・ラクサニちゃんはさすがセンターだけあってかわいいなぁ」とか「ジェシカ・フェランダちゃんの笑顔ってちょっと色気あっていいんだよね」とか「でも結局仲川遙香ちゃんは間違いないよね」なんてどんどんハマっちゃいまして。もうJKT48、最高。

 他にも「本当のやさしさ」と称して“ババアが「恋ダンス」を踊って見せることで「どれだけ新垣結衣ちゃんがかわいかったのか」を教える”をしてみたり、幕間VTR「おかみさんといっしょ」ではパジャマで大久保さんちにおじゃまする本当の意味での『パジャマでおじゃま』をしたり、最後客席を「長い夜」を歌いながら練り歩いた時にばっちり両親と会っちゃったり、といろいろあった120分。打ち上げでは「やっとビール!」どころか、ジャスミン茶をペロペロするのがやっとな位、精根尽き果ててしまいました。でもそれだけまた、48歳になったばかりのわたくしを最後の一滴まで絞り出せたかな、と。会場にお越しの皆様も、チケット取れずに「残念」と言ってくださった皆様も、なんとなくこのライブの事を頭の片隅に置いておいてくださった皆様も、こんな私を見守ってくださいまして、本当に本当にありがとうございました。また1年踏ん張れそうです。どうぞASK48を、そしてJKT48をよろしくお願いいたします。

【今日の乾杯】

単独ライブが終わった翌日、大久保さんにイタリアンに連れてっていただきまして。最後サプライズでバースデー“チーズ”が! 嬉しかったぁ。この後ワイン2本いったのは内緒。あ、こういうの出てきたら反射神経ですぐロウソク吹き消しちゃうもんで、火が消えててすいません。

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いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

寂しいだか、楽しいだか、よくわからないけど、日々、一生懸命生きてます。人気芸人の、笑って、共感して、思わず沁みるエッセイ集。全力で働いて、遊んで、呑んで、笑って、泣いて……の日々。ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方の「日本酒ロック」。緊張の、海外ロケでの一人トランジット。酔ってヒールでこけて両膝から出血の地獄絵図。全力の悪ふざけ、毎年恒例お誕生会ライブ。女性芸人仲間の感動的な出産。“呑兵衛一族”の冠婚葬祭での豪快な呑みっぷり。40歳で体重計を捨ててから止まらない“わがままボディ”。大泣きのサザン復活ライブ。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。恒例の、オアシズ大久保さんのご家族との旅行。etc.