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2013.12.12

第3回

基礎から考えること 前編

大栗 博司

基礎から考えること 前編

リンゴやミカンを数える「1、2、3……」という自然数だけでは解決できない問題を克服するために、人は「0」や負の数を発明し、数の世界を広げてきました。人類の輝かしい知的冒険の軌跡をたどると、数学嫌いの天敵・無味乾燥な「計算」も、生き生きと愛おしく思えてきます……。

 

 小学校で習うときには「算数」、中学からは「数学」というように、数学は「数」と関係が深い。しかし、考えてみると、数というのはふしぎなものだ。ここにリンゴがあると、$1$、$2$、$3$と数えることができる。ミカンがあれば、これも$1$、$2$、$3$と数えられる。$1$個のリンゴと$1$個のミカンは別々のものなのに、同じ「$1$」という数で表されている。数学では、リンゴやミカンという具体的なものから離れて、実体のない「数そのもの」の抽象的な性質を考える。

 抽象の世界に踏み込み、基本原理から考える意義について、イーロン・マスクという人が、最近のインタビューで次のように語っている。マスクは、インターネットで電子決済サービスを行う会社を立ち上げて財を成し、ロケットによる国際宇宙ステーションなどへの輸送を請け負う会社スペースXを起こした。また電気自動車の開発・製造・販売を行うテスラ・モーターズの代表も務める企業家だ。
 

インタビュアー「最近のインタビューで、イノベーションを追求している若者へのアドバイスとして、ひとまねではなく、基本原理に立ち返って考えることの大切さを語っていらっしゃいますが、その点についてもう少しお聞かせください」 

マスク「僕らは普段の生活では、いちいち基本原理に立ち戻って考えることはできません。そんなことをしていたら、精神的に参ってしまう。だから、僕らは人生のほとんどを、類推や他人のまねをするだけで過ごしているんです。だけど、新しい地平を切り開いたり、本当の意味でのイノベーションを起こそうとするときには、基本原理からのアプローチが必要になります。どの分野にせよ、その最も基本的な真理を見つけ、そこから考え直さなければいけない。そのためには精神的な努力が必要になるけれど、それが私のロケット・ビジネスで役立った例をお話ししましょう。…」(アメリカ物理学会ニュースレター)
 

 今回は、基本原理に立ち戻るとはどういうことかを、数の世界を探検しながら考えてみよう。

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