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2013.12.12

特集〈狂わずして何が人生〉
「サッカー本はなぜ人を夢中にさせるのか?」
二本柳陵介(編集者)インタビュー

第1回『心を整える。』が心を掴んだ理由

二本柳 陵介

第1回『心を整える。』が心を掴んだ理由<br />

サッカー選手のマネジメント力とストイックさへの圧倒的敬意

──二本柳さんといえば、サッカー本……というくらい、サッカー関連本のヒット作を手がけられていますね。とくにサッカー日本代表のキャプテンであり、ドイツのブンデスリーガでも活躍する長谷部誠選手の『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』は、現在136万部超の大ヒットを記録しています。

 ありがたいですね。ただ、たしかにサッカー関連本が多いですが、野球や時計の本をつくったりもしています。そもそも、僕は月刊の男性誌『ゲーテ』の所属なので、軸足は雑誌に置いています。

──『心を整える。』を読むと、ビジネス書的な要素……とりわけ自己啓発的なエッセンスがふんだんに盛り込まれていることに驚かされます。

 ええ。僕自身、ビジネス書をよく読むのですが、どうもアタマにすんなり入ってこないんですよね。何かひとつでも気づきがあればいいな、くらいの感覚で読むようにはしているんですが、僕は地アタマがあまりよくないので、なかなか入ってこない(苦笑)。

 一方で、ビジネス書のトレンドをちゃんと追っておくことは、自分の仕事に必要なことなので、読んでいます。たとえば『ゲーテ』なら、本田直之さんの著作がヒットして「レバレッジ」という言葉が流行れば、それをファッション特集のキーワードにしてみるとか。そういうトレンドの“置き換え”や“融合”は大事にしたい視点ですし、流行に敏感であることはいずれにせよ、職業柄大事だなと。『ビジョナリーカンパニー』『7つの習慣』など、ビジネス書界の定番本、名著と謳われる本がいろいろあるなかで、ちゃんと押さえるべきところは押さえておきたいという気持ちもあります。

 とはいうものの、やはりビジネス書を読んでもピンとこないことがあるので、スポーツ選手の視点を通すことで、ストンと落ちてくるのではないか。そう考えて企画をつくったのが『心を整える。』だったんです。

──ということは、最初からビジネス書的であることを明確に意識して、企画を立ち上げたわけですね。

 そのとおりです。僕はサッカー選手に対するリスペクトがとても強いのですが、近年のサッカー選手、とりわけトップレベルでやっている選手は、とにかくストイックでセルフマネジメントが徹底されています。社会人としての自覚を持ち、我慢や節制を怠らず、常にレベルアップを見据えて愚直に努力しながら、キチンと生活している。トップで生き残っていくのは、結局、そういう選手たちなんだと思います。

 そういう姿を見て、もちろん「すごいな。大したもんだな」と感心する一方で、実はビジネスパーソンの世界だって一緒なんじゃなかろうかとも思ったんです。仕事において、「より規模の大きい、やりがいのあるプロジェクトに参画するためにはどうしたらいいのか」ということと、「サッカー日本代表に入るためにはどうしたらいいのか。そのためにどんな努力が必要なのか」といったこと。どちらも、生き方、考え方には通底するものがあるように感じて。それで、サッカーを通じてビジネス書的なものをつくったら面白いんじゃないかと考えました。

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