腸の働きが低下する「停滞腸」は、大腸がん、糖尿病、動脈硬化、うつ病の発症などに大きく関わっていることが、明らかになってきました。
人間の寿命は、まさに腸の健康状態で決まると言っても過言ではありません。
寿命の9割は腸で決まる』では、腸の調子が悪いとどのように危険かを具体的に示し誰でもすぐ簡単に取り入れられる食習慣・生活習慣をアドバイスしています。
  6月14日の日本テレビ「世界一受けたい授業」に出演し大反響、4万人の腸を診てきた医師・松生恒夫先生が、腸と寿命の驚きの真実をお伝えします。

(写真:iStock.com/TLFurrer)

 あんな不調、こんな不調、全部「停滞腸」のせいです!

 機能が低下した大腸の状態を、本書では「停滞腸」と呼びます。

「停滞腸」の人は、いきなり便秘にはならなくても、排泄する力が弱ってきます。そして、大腸内に老廃物が溜まりやすくなります。老廃物には、食品添加物や残留農薬、汚染物質など体外から侵入するものや、食物残渣などが長時間、体内にとどまることによって発生するものなどがあります。健康な腸では、こうした老廃物は、便と一緒に体外に排出されますが、「停滞腸」の人は、有害な老廃物を大腸内に溜め込むこととなるのです。このような人たちの大腸を大腸内視鏡で見ると、健康な腸のように脈うっておらず、働きが鈍かったり、動きがほとんど止まっていたりします。

「停滞腸」でお腹に張り(腹部膨満感)を覚え、下腹部がポッコリ出てくるような場合、多い人で2~3リットルものガスがお腹に溜まっていると考えられます。自然にしていても大腸のガスは毎日2~3リットル排泄されるのですが、便で腸管内のガスの移動が妨げられることでガスが腸内に溜まってしまうというわけです。これだけ溜まれば、大腸内のガスが胃を圧迫するため、当然、腸の不快感だけでなく胸やけやげっぷ、吐き気、痛みなど胃の不調も生じさせます。お腹のガスなどによって腹圧が上昇し、逆流性食道炎(胃酸などが食道に逆流して食道の粘膜に炎症を引き起こす病気)を起こしているケースもあります。

 加えて、大腸に滞った老廃物がインドールやスカトール、アセトン体、アンモニアなどの有害物質を発生させ、それが血液を介して全身にまわっていくと、肌荒れが出る、口臭・体臭が強くなる、頭痛や肩こり、むくみ、疲れやすさ、だるさなど、さまざまな症状を招くことにもなります。症状とはいえないまでも、新陳代謝の低下によって脂肪が燃焼しにくくなり、太りやすくなるケースもあります。

 そうして最終的には、腸そのものの不調として便秘(慢性便秘症)が起こってきますが、便秘になることでさらに「停滞腸」の状態が悪化し、腸以外で生じていたさまざまな不調にも悪影響を及ぼし、相互の関係が悪循環するようになります。

「停滞腸」によって全身に引き起こされる不調とその原因について、整理してみます。
 

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松生恒夫『寿命の9割は腸で決まる』

100歳まで元気な腸を作る!
○「停滞腸」の人はお腹に3ℓもガスが溜まっている
○便秘薬に依存している人の腸は真っ黒
○赤身肉は大腸がんのもと
○腸が生まれ変わる7日間リセットプログラム
○健康長寿の決め手は「和食」ではなく「地中海式和食」
○身近な食材で便秘解消 など