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“個”を磨け!新時代のキャリア戦略

2018.05.28 公開 ツイート

サイバーエージェント社長からすべての夢を追う若者へ 藤田晋

幻冬舎では各電子書店で「”個“を磨け! 新時代のキャリア戦略フェア」を開催しています。その中からおすすめの一冊を紹介します。

渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉』藤田 晋 
二十一世紀を代表する会社を作りたい――。高校生のときに抱いた起業の夢は、サイバーエージェントの設立により実現した。
しかし、社長になった彼を待っていたのは、厳しい現実だった。ITバブルの崩壊、買収の危機、社内外からの激しい突き上げ……。孤独と絶望、そして成功のすべてを赤裸々に告白したノンフィクション。夢を追う人必読の書。

(写真 https://www.istockphoto.com/jp)

21世紀を代表する会社をつくる

将来の夢──会社をつくること。
それには何から始めればいいんだろう?
大学の学部は経営学部です。でも、まじめに学校に通って経営学を学んだところで起業家への道が開けるとは思えませんでした。何故なら経営学部で一生懸命勉強し、良い成績を残して卒業した人が起業家になっているわけではないからです。
くよくよ悩んでいる時間はもうありません。

私は頭の中でイメージしてみました。起業家、社長、スーツを着て革張りの椅子に座っている人……。
そうだ、とりあえずスーツを着る仕事をしよう。そんなわけで、私が選択した最初の行動は、新しいスーツと『フロム・エー』を買いに行くことだったのです。子供じみていますが、私は真剣でした。『フロム・エー』のページをめくり、学生でも働かせてくれる会社を探しました。

上京してからすでに2年以上が経過しています。ずいぶんと貴重な時間をムダにしてしまいました。私は焦っていました。
20歳。夏。
私はたまたま買った『フロム・エー』で運命的な出会いをしたのです。
その会社、株式会社オックスプランニングセンターはリクルート出身の社員たち数名が共同で立ち上げた会社で、このとき設立わずか4年目でした。社長もまだ31歳。ほかの役員も皆、社長と同じくらいの年齢です。社員の大半は20代で職場は活気に満ち溢れていました。

ある日、オックスプランニングセンターの社長と偶然帰りの電車で一緒になりました。将来社長になりたいと思っていた私は、社長が手に持っていた本が気になりました。
「社長、その本最近いつも読んでますけど、面白いんですか?」
「これか? この本は凄いよ。でもお前はまだ読むな。頭でっかちになったらいけないからな」

その本は『ビジョナリー・カンパニー』。
読むなと言われればどうしても読みたくなるのが人の心情。私は次の日には国連ビルの裏手にあった青山ブックセンターに行って購入してきました。

一気に読み、衝撃を受けました。私も将来、ビジョナリー・カンパニーをつくろうと考えました。
この本には、時を超えて生存しつづける企業とは何か、ということが書き記されています。

経営者のカリスマ性が重要なのではなく、企業そのものが究極の作品であることが書かれています。
社長という仕事には憧れない。でもソニーやホンダのような会社は、人々の生活や社会に大きな影響を与えている偉大な会社です。就職活動をする若者にとっても憧れの存在です。

そんな会社を自らの手でつくり上げよう。
右肩上がりの経済成長は終わりを迎え、就職氷河期とかリストラとか元気のない社会になっている。そんな世相を吹き飛ばすような、希望の星となるような会社をつくり上げよう。
過去の栄光にすがるのではなく、自分たちの手で新しい時代に新しい会社をつくり上げよう。

自分の夢であり目標がはっきり設定された瞬間でした。
〈おれは「21世紀を代表する会社をつくる」〉
これは現在に至るまで、そしてこれからも、変わらぬ私の人生における目標となりました。

サイバーエージェントの誕生

24歳。会社スタートは4月1日から、ということになりました。
ゼロからの会社設立が決まって、まだ2月。東京でも寒さが厳しい季節でした。
〈あと2ヶ月ある……。それまでに体制を整えないとな……〉

まずは、人を集めなくてはなりません。創業メンバーをふたりとも失ってしまった私には、常に頭の隅に意識していた人物がいました。
日高裕介(現・サイバーエージェント専務取締役)。内定者を集めた研修でチームを組んだ、同期入社の友人です。

私と日高は同期の中でも、特に仲の良い友人でした。日高とのパートナーシップは上手くいく。それに日高も高い志を持ってインテリジェンスに入社し、もともとは非常に頭がきれる男です。環境を変えれば必ず頑張って復活してくれるはず。私は密かにそんな風に考えたのです。24歳の私と、社会人1年目で成績不振の日高が取締役。まだ学生の石川篤がアルバイトで参加。3人でのスタートが決まりました。

専務と中山、3人でスタートする予定だったことと比べれば、格段に心細いメンバーになりました。
〈もうおれがやるしかない──〉
渡辺専務たちと計画を立てたときよりも、遥かにシビアに私は腹をくくっていました。

私はインターネットという新しいフィールドには無限の可能性があるように思えて仕方ありませんでした。当時の私は、コンピュータやインターネットについて、特別な知識を持ち合わせていたわけではありません。それでもインターネットの魅力は私を強力に惹きつけていました。

「そういえばさ……社名どうする?」
日高が言い、私はこう答えました。
「社名は胡散臭くないのがいいよ」
オックスプランニングセンター時代、社名でハンディを背負わないようNTTと名乗った経験が私にはありました。

「でもインターネットに詳しそうな社名じゃないとなぁ」
「じゃあ適当にありがちな社名挙げてみようか」
ウィンカーを出しステアリングを切りながら、私はそう言いました。
「ハイパー・システムズ……ハイパー・ソリューション……」
「エレクトリック・エージェントは?」と私。

「サイバー・エージェントのほうがいいんじゃない?」
「サイバー・エージェントか……。俺はエレクトリック・エージェントの方がいいと思うんだけど」
「じゃ、サイバーエージェントな。“・”(なかぐろ)は無しで」

社名が決まったころには、東京駅の東口に到着していました。
「来週は東京で住むマンション決めないとな」
「ま、寝るだけだろうからどこでもいいよ」
3月。もう春の訪れを感じさせるような暖かな日でした。私たちの会社、サイバーエージェントがようやく誕生しようとしていたのです。

続きは本編でお楽しみください。

***
渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉』藤田 晋  目次抜粋

第1章 裏切り、それでも手放せなかった夢
第2章 ゼロからの起業
第3章 ネットバブルの波に乗る
第4章 バブル崩壊、孤独と彷徨
第5章 ランナーズ・ハイ

実施期間:5月18(金)~5月31日(木)

自由な人生のために20代でやっておくべきこと[キャリア編]』 本田 直之
多動力』 堀江貴文
日本3.0』 佐々木紀彦
独裁力』 川渕三郎
渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉』 藤田晋
会社員の経験をフリーランスで生かす仕事術』 はあちゅう / ヨッピー
新企画 渾身の企画と発想の手の内すべて見せます』 鈴木おさむ
35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画』 藤原和博
察知力』 中村俊輔

などなど、その他230冊以上が対象のお得なフェアです。
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これからの時代、ビジネスパーソンが意識していくべきキャリア構築に関する書籍を紹介します。

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藤田晋 サイバーエージェント代表取締役社長

株式会社サイバーエージェント代表取締役社長。1973年福井県生まれ。97年、青山学院大学卒業後、人材会社の株式会社インテリジェンスに入社。翌98年に株式会社サイバーエージェントを設立、代表取締役社長に就任。2000年に史上最年少(当時)の26歳で東証マザーズ上場し、2014年9月に東証一部へ市場変更を果たす。同年、「麻雀最強位」タイトルを獲得。著書に『渋谷ではたらく社長の告白』『起業家』『藤田晋の成長論』、共著に『憂鬱でなければ、仕事じゃない』『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ』など。 渋谷ではたらく社長のアメブロ http://ameblo.jp/shibuya/

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