俺は気付いたんだ
みんなで乾杯したときに君は俺とだけグラスを合わせなかった
人は考えすぎだと言うだろうけど最悪のケースの場合も可能性としてはあるわけで
そう考えたら俺は君に気があること絶対知られてはならん、ていうか知られてたまるかボケと思い
あえて隣の席の好きでも嫌いでもない女とほんとどうでもいい話して無理して笑って
君に聞こえるように大きな声で笑って君のほうなんか見向きもせずにその女の方ばっか見ながらしかし第六感で君の様子を探る
君の声が聞こえる、「私、あの人といつも価値観が逆で困ってるの」ってなになになんの話してんの
えっそれ彼氏のことですか彼氏いるんですかどうなんですかとなり、
しかし逆に俺はさらに隣の女とのどうでもいい会話をヒートアップさせ、しかし第六感はさらに研ぎ澄まされていく
うんうん…うんうん…どうやら姉のことっぽい、安心した俺は勝利した、なんて思ったけどこの恋愛においてはなんの進展もないわけでこんなんじゃダメ、ついには勇気を出して君単体狙いではないけど全体に向けてギャグを放ってみたら君も笑ってくれてああ超可愛い
もう行くしかねえと思って君単体狙いではないけど全体に向けて「ライブ今度みんな来てよ!」って言ってみた、君の方なんて見れるわけねえ、しかし俺はやった、ついにこの恋が走り出すんだ、って思ってたら隣の女が「あ〜ひとりだけ全然興味なさそうな人がいる〜」って指差す先を見たら君か
店を出て空を見上げたら星が見えて
こんな夜は星が切なく綺麗に見えるぜとか思ってみたけど
星なんかより君の方が全然可愛い、つらい

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