4月11日、都内某所で、吉川英治賞〈文学賞(第52回)、文庫賞(第3回)、文学新人賞(第39回)、文化賞(第52回)〉の贈呈式が行われました。

各賞を受賞された皆様。右から、帚木蓬生氏(文学賞)、有栖川有栖氏(文庫賞)、佐藤究氏(文学新人賞)、日本盲導犬協会、本多一夫氏、村林孝夫氏(文化賞)

 なかでも2016年に創設された吉川英治文庫賞は、始まってまだ数回とはいえ、候補作には読者に馴染み深い人気シリーズがずらり。その中で、対象期間内に『怪しい店』(角川文庫)、『鍵の掛かった男』(幻冬舎文庫)の文庫新刊が出た有栖川有栖さんの「火村英生」シリーズが受賞し、このたびの花束贈呈となりました。

大勢の人が詰めかけた贈呈式で、受賞の挨拶をする有栖川先生

実はこの贈呈式のシチュエーションに非常に似ているシーンから始まる『鍵の掛かった男』

 火村英生シリーズが生まれたのは、今から26年前。「この探偵の活躍を死ぬまで書きたい」と思えるような名探偵を創出できたことは「本格推理作家にとって幸せなこと」と有栖川先生。そしてその素晴らしいシリーズの始まりにいた講談社の編集者・宇山さんとの思い出、感謝の思いも述べられていて、長年続く人気シリーズが生まれる影には様々な歴史が刻まれていることを、ほんの瞬間、一緒に共有できたかのようでした。

 厳かな贈呈式が終わると、今度はお祝いムードが高まる賑やかな二次会がスタート。多くの出版関係者がお店に喜んで駆け付けたのはもちろん、歓談の合間に、お酒が入って陽気になった先生方も次々到着。そして到着しては楽しいスピーチ、到着しては楽しいスピーチ……ということが繰り広げる本当に華やかな会になりました。

今野敏さん、北村薫さん、貫井徳郎さん、喜国雅彦さん、国樹由香さん、京極夏彦さん、恩田陸さん、北方謙三さん、大沢在昌さん、東野圭吾さん、逢坂剛さん、綾辻行人さん……他、ここに書ききれないほどの豪華な先生方が次々かけつけ、お祝いを述べたあと、見事なケーキが。

 そして最後のサプライズは、有栖川先生から奥様へ花束のプレゼントでした。その貴重な瞬間を写真にうまくとらえられなかったという失態をおかしてしまいましたが、支え合う素敵なお二人のことが羨ましくてなりませんでした……。

 最後まで幸せな空気が流れる一日、火村英生シリーズをますます応援したくなったのはもちろんのこと、たくさんの読者が魅せられ続ける火村作品が今後も出続けることは、きっと間違いありません。(S)

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