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内臓脂肪を最速で落とす

2018.04.05 公開 ツイート

座談会1

ヘルシーなランチが夜の暴飲暴食の引き金になる!? 奥田昌子

 奥田昌子さんの最新刊『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』は、肉や炭水化物の正しい摂り方、脂肪に効く食材、効果抜群の有酸素運動などを最新の論文をもとに解説していて、続々重版となる大反響です。
 今回は、内臓脂肪の悩みを抱える幻冬舎営業局のアラフィフ男性トリオが、「最速で落とす方法」を奥田さんに直接きいた座談会の模様をお伝えします。(聞き手・構成:編集部)

 

〈参加メンバー〉

太田和美(おおた・かずみ) 幻冬舎営業局書店営業担当チーム。49歳。身長169センチ、体重71.2キロ、体脂肪率23.0パーセント、BMI 24.9。「あんまり太っているように見えないかもしれませんが、最近は体が重く感じます。昔はちょっと食事を我慢してれば体重が結構減ったのに、新陳代謝が悪くなってきたような……」

白沢慶記(しらさわ・よしき) 幻冬舎営業局書店営業担当チーム。49歳。身長171センチ、体重71キロ、BMI 24.3。「甘い物、肉の脂ものがいまだに大好きです。さらにご飯をお腹いっぱい食べたい派です」

 

田村尚弘(たむら・なおひろ) 幻冬舎営業局書店営業担当チーム。50歳。身長172センチ、体重98キロ、BMI 33.1。「朝は基本的に食べません。昼は会社の近くで弁当を買うか、近所の飲食店で済ませます。夜は、基本的に深夜寝る前に食事をします。甘い物も好きです」

「プリン体ゼロ」のビールでも体内のプリン体は増える

――みなさんには1週間分の食事日記をつけてもらいました。

太田 この週は宴会が多くてさ。言い訳しちゃうけど(笑)。

田村 三人とも一緒だった宴会っていうのもありましたね。

奥田 お忙しいところ日記をつけていただいてありがとうございました。まずは太田さまの食事日記から拝見いたします。

 

奥田 宴席がどうしても多いというお話で、アルコールをだいたい毎日のように飲んでいらっしゃる。事前にいただいた質問票に書いてありましたが、もともと早食いでいらっしゃるのですね。

太田 はい、よく言われます。

奥田 確かに日記を拝見すると、とくにお昼ご飯は早食いできそうなメニューが大部分な気がいたします。7日目のお昼の焼き魚定食だけは違うんですけれど、たとえばおそばにしても、マグロ納豆定食にしても、焼きそばやカレーなんかにしても、みんな早く食べられそうで、そういったものがお好きっていうのもあるのかもしれないと思いました。

太田 なるほど。

奥田 で、やっぱり、アルコールなんですよね。これも質問票にありましたが、中性脂肪や尿酸値の数値がちょっと高いというお話で、尿酸値が高い方というのはほとんどの場合、中性脂肪の数値も高い方が多いんです。そういう方の原因は、男性の方はほぼ間違いなく、飲みすぎなんです。
 これを拝見するとビールが中心で、特にアルコール飲料にはこだわっていらっしゃらないのかなと思うんですが、一般論としてお話ししますと、「尿酸値が高い方にはビールはよくない」とはよく言われることですよね。プリン体が入っているのがよくないと言われます。
 だけれども、プリン体っていうのは外から取り込む分より、体内で作るほうが実はずっと多いんです。7割ぐらいは体の中で合成します。確かにビールを避ける意味はあるんだけれども、それよりも体内でのプリン体の合成を高めるような食品を避けるほうが確実だと思います。
 ではプリン体の合成を高める食品とは何かと言うと、アルコールそのものなんです。ですからビールだけじゃなくて他のアルコールも同じように、プリン体を作るのを促してしまう、ということなんですね。

1週間に5合、中びんなら5本までならOK

奥田 それを考えますと、本当のところ1週間のトータルで、日本酒にすると5合ぐらいまで。ビールで言うと中びん5本がだいたいそれに相当します。アルコールっていうのは蓄積して働きますから、1度にまとめて飲んでも毎日少しずつばらして飲んでも同じなんです。

アラフィフトリオのみなさんは酒量制限に苦笑い……。

〈アルコール量の参考〉
日本酒5合=ビール中びん5本=焼酎3合=ウイスキーダブル5杯=ワイン1本と1/4本=缶チューハイ(350ml)7.5本

太田 1週間で中びん5本が限度……。

奥田 そこまでだったら、おそらく尿酸値をそれほど高めることはないだろうということです。太田さまの食事日記を拝見すると、土日も量は少ないけれどお酒を飲まれているんですね。だからこの土日をやめていただくと、尿酸値の数字がよいほうに動き出すのかな、という気がいたします。

――よく、「プリン体ゼロ」と表示してあるビールがありますよね。

奥田 実際にゼロだとしても、アルコール自体がプリン体の合成を促すわけです。だからプリン体がビールに入っていないとしても、それは全体の30%に関係するだけの部分です。

田村 ノンアルコール飲料だったらいいですか?

奥田 ノンアルコールだったらその意味ではいいと思います。

食事日記こそが最強のダイエット法

奥田 では、次に白沢さま。


太田 先生、まずこの細かな記入についてひとことおっしゃっていただいていいですか(笑)。仕事ではこの細かさを見ることないですから。

白沢 実は今でも書き続けてるんですよ。書き出したら面白くなっちゃって。

奥田 種明かしをしますと、こういう記録をつけていくのがおそらく最強のダイエット法なんです。なかなか客観的に自分の食事を観察する機会はないものですが、こうやって一覧にすると自分で「この日はこうだったから今体重がこうなんだ」とわかるので、みなさまお忙しいと思ったのですがこうして1週間分書いていただきました。
 白沢さまは決して肥満ではないですし、BMI(体格指数)もぴったり正常の普通体重に入っていらっしゃる。ただ食事日記を見ると、コツコツとマメに、太る方向に努力していらっしゃるデータなんですね。たとえば大盛りにしたり、朝からから揚げを1個召し上がったり。から揚げがわりと多いですね。

白沢 これ、子供の弁当用の残りなんです。

太田 2日目の、22時に「カレー超大盛・ご飯3杯分」はまずいんじゃないの。

奥田 そうですね。やっぱり大盛というのは、そろそろ年齢的にも、普通盛りでとどめていただけるといいのかなぁというのはありますね。

白沢 怒られちゃった……。

甘いものなら洋菓子よりも和菓子をチョイス

和菓子がおすすめだという奥田先生。

奥田 あと、土日は夕ご飯のあとで、クレープとかシュークリームを召し上がっていらっしゃる。こういうものを食べるとすごくリラックスできますし、気持ちはわかるんだけれども、できれば大福などの和菓子にするといいですね。仮にカロリーが同じでも、和菓子と洋菓子では質が違います。
 和菓子というのはカロリーの大部分は糖が原因です。お砂糖とかあんこ、ああいったものです。対する洋菓子というのは基本的にクリームを使っていますから乳脂肪、脂肪です。そうするとカロリーが同じでも、洋菓子は食べたときすぐに中性脂肪があがって内臓脂肪になってしまうのです。そのあたりをちょっと変えていただくといいと思います。全般的に洋菓子とかパンとかコンビニスイーツがお好きな感じがしますね。

白沢 大好きです。

奥田 洋菓子系、コンビニスイーツ系のものは脂肪分が多く、あとは果糖が多いんです。これは『内臓脂肪を最速で落とす』にも出てきますけど、果糖っていうのは満腹感がそれほど得られないわりに、すぐに中性脂肪になって肝臓にたまります。白沢さまの質問票に、脂肪肝を指摘されているとありました。

白沢 15年ぐらいずっと言われてるんです。要観察。

奥田 今言った果糖が犯人なのかな、という気がいたします。スイーツ類とか、朝食に召し上がっていらっしゃる甘いパンにもけっこう脂肪と果糖、両方入っていたりしますので、そのあたりが脂肪肝につながっているんじゃないかなぁという印象です。これが食パンならだいぶいいと思います。
 3日目の朝食のパンはすべて2分の1個とのことですが、それでも全部で600キロカロリー以上はありそうな感じ。それプラス、フライドポテト5本、から揚げ3個っていうのも召し上がっていますからね。

目安は1日2500キロカロリー、週17,500キロカロリー

太田 僕らみたいなサラリーマンで50歳ぐらいだと、1日何キロカロリー食べていいんですか?

奥田 だいたい1日2500キロカロリーぐらいです。

太田 朝、昼、晩の配分はどんな感じにしたらいいですか?

奥田 それはそれほど問題じゃないです。1日トータル、1週間トータルで考えてください。宴会で食べ過ぎる日もあると思うんですけど、1週間のトータルで2500×7、17,500キロカロリーぐらいにおさまっていれば充分に挽回は可能だと思います。

白沢 先生のご本の中にもそんなことが書いてありましたね。朝抜いても、夜遅く食べてもかまわないって。それと一緒ってことですか。

奥田 はい、そう思います。

――白沢さんの食事日記の、白湯が気になります。

奥田 これは質問票にも書いていらっしゃったんですけど、腎臓結石の再発防止ということでしょうか。以前にダイエットなさったときに結石ができてっていう。

白沢 はい、それも含めて。ダイエットが結石の原因かどうかはわからないんですけど。

奥田 偶然という可能性ももちろんあるんですけど、お食事を多少減らされたことで、水分の摂取が減ったかもしれない。食事からだけで1日に平均750ccぐらい水分が入ると言われています。その分がもしかするとちょっと減った。プラス、しっかり運動して汗をかいたこともあって、それで水分不足になって結石ができた可能性が高いかなと思います。あと、ビタミンCのサプリは飲んでいらっしゃらないですか?

白沢 飲んでないです。

奥田  それはいいですね。男性の方がビタミンCのサプリを飲まれると、腎臓結石になる方がいますので。

ヘルシーな昼食が夜の暴飲暴食の引き金に!?

奥田 では次に田村さま。食事日記を拝見しますと、朝は基本的に召し上がらないけれども昼と夜は非常に腹持ちのいいものをボン、ボン、ボンと召し上がっていて、その合い間を即効性のある甘いもので埋めている感じがあります。


田村 あ、完全にそうです。間にチョコレートだったり、そういうものを。

奥田 ……そうですね、いろいろお話ししたいことはあるんですけど(笑)

太田 先生、どうなんですかこの6日目の「24時30分、醤油ラーメン」っていうのは!

奥田 そうですよね、これなんですが……。この土曜日はお休みで、ご飯は外で召し上がったんですね。

田村 そうです、21時にご飯を食べて、家に帰る前にラーメンを食べて、それでそのあと家に帰ってバニラアイス。それでビール飲んで、テレビ見てるうちになんかないかな~って。探して出てきたのがフランスパンだけだった。それでしょうがなく、バターつけて食べた。

奥田 これを拝見すると、普段の日のお昼は焼肉定食とかグリーンカレーとか、ざっと調べたところ700~800キロカロリーぐらいのものを召し上がってらっしゃるんですね。それに比べると、この土曜日のお昼は少ないんです。ざるそば大盛で450キロカロリーぐらいなんですね。
 ざるそばやうどんっていうのは、腹持ちはよくないです。粉にして調理しますから。ご飯だったら粒のままだから、それなりに消化するのに時間がかかって腹持ちにつながるんだけれど、ざるそばは腹持ちがよくない。しかもこの日は普段のお昼と比べるとかなりカロリーが少なかったので、夕食は普通に召し上がったけれど、心理的に物足りなさがあったのかなという気がします。
 それで歯止めがかからなくなって、ラーメンと、アイスだけで終わるつもりが缶ビールとフランスパンにまで行ってしまったっていう現象が起きたのかなという気がするんですね。
 それを考えると、「ざるそば大盛」だけを見ると「今日は普段よりヘルシーなお昼だった」という気がするんだけれども、トータルで考えると果たしてそれがいい選択だったか、というのがあるんです。

太田 なるほど。お昼のときにしっかり食べてもよかったっていうことですね。

奥田 そうですね。腹持ちを与えてくれるものは、ひとつは脂肪です。脂肪はもちろん中性脂肪になるんだけれども腹持ちはいいです。それから食物繊維。食物繊維は消化しづらいので腹持ちにつながります。
 だからたとえば「ざるそば大盛」の代わりに「ざるそば普通盛り」にして、ごぼうのサラダとか海藻サラダとか、そういうものを召し上がっていたら、こういうことにはならなかったかもしれない。
 もっと言うと、普通盛りのざるそばに天ぷらをつけて「天ざる」にすると、もちろん天ぷらなしのざるそば大盛よりもカロリーはちょっと増えてしまうんだけれども、満足感がかなり持続しますから、醤油ラーメンにはいかなかったかもしれない。

太田 だって田村さん、翌日も中華そば行っちゃってるんだもん。

白沢 11時30分にマック行ってるのに、14時に中華そばって……。

奥田 土曜日のブレーキが外れちゃった状態が翌日にも持ち越したと考えることもできるような気がいたします。そう考えると、先ほど1週間トータルで考えるということを申し上げたんですけど、1食だけとりあえず抑えても、それがいいとは限らないということになるわけですね。

砂糖入り缶コーヒーをパウダー系飲料に変えてみる

太田 田村さんは缶コーヒーをよく飲んでるよね。

田村 無糖コーヒーの1Lペットボトルを机に置いて常時飲んでいて、それ以外に甘い缶コーヒーを1日1~2缶です。

太田 缶コーヒーは砂糖が多いとよく言うじゃないですか。カロリーもだいぶ多いと思うんですけど、1日に1本ぐらいだったら大丈夫なんでしょうか?

奥田 昔からある甘い缶コーヒーはだいたい100~120キロカロリーです。田村さまはわりとお好きで頻繁に飲んでいらっしゃるのかなと思うんですが、『内臓脂肪を最速で落とす』に、「ご飯を小盛りにすることで、80キロカロリー違います。大盛りにすると逆に80キロカロリー増えますし、それを1年間積み重ねると4.2キロの内臓脂肪になります」ということが出てきます。
 缶コーヒーを仮に100キロカロリーとして計算すると、1日1本1年間で、5キロ以上の内臓脂肪になってしまうんです。これをやめるだけでも、年間5キロは減っているはずということになるわけです。
 でも昼ごはんと晩ご飯の間も開いてしまうこういうお仕事ですから、途中で空腹をしのぎたいお気持ちはよくわかります。ただ、缶コーヒーは即効性があってすぐに血糖値が上がるので満足しやすいんですが、腹持ちが悪い。そう考えると、とりあえず血糖値をぐっと上げるだけだったら、今の半分の量でもいいと思うんです。
 最近スティック状のパウダーのミルクティーとかカフェオレがありますよね。カップに粉を入れて、お湯を入れて混ぜるやつ。あれだと、できる量が缶コーヒーよりは少ないんですけれど、1本あたり50から、せいぜい60キロカロリー。

――けっこう甘さがありますよね。

奥田 甘いんですよね。作る手間はありますけれども、カロリーを半分に抑えることができて、年間2.5キロは減る可能性が出てくるということになります。缶コーヒーってもう飲みたくなくても残すともったいないから飲んでしまうってこともありますよね。できるだけ少ないロットのものを選ぶというのは、割高にはなるかもしれませんが、内臓脂肪を落とすひとつのコツかもしれませんね。
 

 

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内臓脂肪を最速で落とす

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奥田昌子

京都大学大学院医学研究科修了。内科医。京都大学博士(医学)。愛知県出身。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人近くの診察にあたる。航空会社産業医を兼務。著書に最新刊『血圧を最速で下げる』のほか、10万部を突破した『内臓脂肪を最速で落とす』や、胃腸を最速で強くする欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』『日本人の病気と食の歴史などがある。

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